第1回 学生デザインコンペ受賞作品

個人住宅部門「ずっといたくなる家」

優秀賞

時・トキ・とき

白石 彩(京都造形芸術大学)
土井 祥太(京都造形芸術大学)


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コンセプト

「ずっといたくなる」とは、時間が進むことで生まれる。住居の空間で庭は、時間の流れによりその時にしかない表情が絶えず生まれる。そのような空間性を、生活の中に取り込むことで、時間がつくり出す飽きのこない空間ができる。

外に閉じ、内部に向けて開放的な構成をしているため、敷地内に入ると、内部と外部が一つの大きな空間になっている。どこからどこが庭なのかわからなくなっている。これは時間の流れを持つ庭を、より生活に近づける工夫の一つである。庭が内部のインテリアとしても成り立つよう、庭では床であるものが内部では机や椅子などの家具として存在している。

家族構成は、夫婦二人と子供二人。家族間、または内部と外部に隔たりが出来ないように、壁という壁はほとんど立ててない。住人が早く帰りたいと思ったり、たまに訪れる友人にも、なんだかずっとここにいたい、と思わせる家作りを目指した。

講評

審査委員長 西沢 立衛 氏

 時間をテーマとした作品。正直いって、時間の流れと空間構成の関係はよくわからなかった。しかし、床が変化していって場所を作り出していく空間構成にはおもしろさを感じたし、なによりも、住まいを設計する楽しさが伝わってくるような、素朴な魅力を持った作品と感じられた。コンペ応募のためにワンアイデアを思いついて作った作品とはちょっと違って、「ずっといたくなる家」というテーマを素直に受け止めて掘り下げていった作品と言える。

審査委員 百田 有希 氏

 「ずっといたくなる」というテーマに対して、自分の身体に近いところからとても素直な答えを導き出していると思いました。中庭と内部との関係から自分が居心地の良いと感じる空間を丁寧につくりあげています。実際に模型をつくって空間を具体的に提示しているところに説得力がありました。

審査委員 松原 亨 氏

 庭は屋内に繋がり、床はテーブルと繋がり、部屋と部屋も緩やかに繋がる。「ずっといたくなる」場所が心地よく繋がっている場所であることを一例としてうまく表現している。

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