第1回 学生デザインコンペ受賞作品

ビル・公共部門「ずっといたくなる図書館」

優秀賞

四季奏音 ―四季の音を奏でる図書館―

平山 大悟(東京都市大学大学院)
川名 恵祐(東京都市大学大学院)


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コンセプト

現代の日本は「静寂」を理想として作られています。

高気密高断熱を基本として作られた建築は、気配や音が伝わりづらいのが現状です。しかし、ほどよい音は人に安心感を与え、落ち着く場所へと導きます。そこで、音を用いた図書館を設計します。音から図書館を考えると図書館は本来、本を収蔵し閲覧するための場所であり、不必要な賑わいは必要ないと考えてます。そして本を読み、味わうために必要なものは「静寂」でもなくほどよい「気配」でしょう。

敷地は郊外中心地の近傍。都会の喧騒から少し離れた小さな山の中です。自然の音に囲まれた敷地こそ、ずっと居たくなる図書館としてふさわしいと考えました。その小さな山の中に足音や、風の通る音、樹々のざわめき、雨の音などに包まれる空間提案します。都会から山の中へと蛇行しながら少しずつ入っていく建築の内部は人工的な音から自然の音へと変化してゆきます。音という気配を捉える図書館を提案します。

講評

審査委員長 西沢 立衛 氏

 音をテーマとした作品。「ずっといたくなる」という課題から、気配、音の計画の重要性を提案したところが、他の応募案にはない独自性を生み出した。建築としてはたいへん大きなもので、自然の中での存在感が大きすぎるようにも感じられたが、各場所、各コーナーが、イメージ豊かに描かれていて、魅力を感じた。

審査委員 百田 有希 氏

 音を手がかりに居場所をつくっていくのが他の案にはない独自のアプローチでした。訪れる季節によって、その日の天候によって、異なる空間が立ち上がってきます。本を片手に風になびく竹林の音色を想像すると思わず長居をしてしまいそうです。もう少し建築が森の中に溶け込んでいくような場所があると良いなと思いました。

審査委  松原 亨 氏

 音だけではないはずだ。この図書館には植物の匂い、動物の存在感、川の冷気などなど、自然の気配が満ちていると想像する。普段なら手に取らない本を日が沈むまで読んでしまいそうな気分になる。

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