第1回 学生デザインコンペ受賞作品

ビル・公共部門「ずっといたくなる図書館」

審査委員特別賞

商店街×図書館

林 拓弥(首都大学東京大学院)


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コンセプト

“キッカケ”の変換。

商店街は二つの社会的役割を担っていました。それは消費と地域の核(情報発信、コミュニティなど)としての役割です。

現在、消費の機能を十分に果たせなくなった商店街は衰退しています。それに従って、消費を“キッカケ”につくられた地域の核としての機能も衰退していきます。地域の核としての機能は他の場所に移るかもしくは無くなってしまいました。そこで消費の機能から本の貸出という機能へと“キッカケ”の変換を行います。これにより人々は本を目的に商店街を訪れ地域の核としての機能が維持されます。

もともと徒歩圏内で計画された商店街は老若男女を問わず人々があつまる可能性を持ちます。現存の商店街を利用した新しい図書館は過去と未来をつなぐ生活の拠り所となります。

講評

審査委員長 西沢 立衛 氏

 建物と建物のすきまを書庫として、街全体がある意味で図書館となるという提案。どうということのない街角や建物の隙間が魅力的な隠れ家であったり、読書空間などに変わっていくというところに魅力を感じた。ただ本棚が高すぎて上のほうは本は置けない?ような気もした。また屋外の本棚はどうなのだろうか?

審査委員 百田 有希 氏

 狭い路地が本棚に囲まれた状態を想像してみると、本がもつ「もの」としての迫力が凝縮されてせまってくるようで、体験してみたいなと思いました。アーティストのインスタレーションのようではなく、なにか街を歩いていてふと魅力的な路地と出会うように、本に囲まれた路地に出会えるといいなと思いました。

審査委員 松原 亨 氏

 「本の街」として町興しをするならば、このような設えは有効だと思う。街全体が「本のテーマパーク」にできれば面白い。

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