第1回 学生デザインコンペ受賞作品

ビル・公共部門「ずっといたくなる図書館」

優秀賞

湯巡り。書巡り。

市川 楓(信州大学大学院)


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コンセプト

観光域と居住域が混在し、観光客が減り活気がなくなりつつある温泉地。ここに「湯めぐり図書館」を提案する。温泉地に、図書館と温泉施設、地域施設の複合施設を提案することで地域コミュニティに観光客が参入できるプログラムとした。

分棟形式とした建物は高い回遊性を持ち、様々な空間をつくる。1階小路周辺の半屋外空間は、足湯や汲み湯があり温泉を楽しみながら読書ができる。三協アルミの開口により開放的につくられた1階地域施設は、共同キッチンや温室があり、住民の交流が活発に行われ訪れた観光客も参加できる。分棟建物をつなぐ2階のガラスの渡り廊下は閲覧スペースで、その人々の姿は小路からもうかがうことができる。

湯をめぐるように、空間を歩き回り、書をめぐる。観光客と住民が共に同じ時間を共有する図書館、ぐるぐるめぐってずっといたくなる図書館の提案。

講評

審査委員長 西沢 立衛 氏

 図書館と温泉施設、コミュニティセンターを合体したような新しいタイプの図書館の提案。温泉と地域施設を合わせることで、地域のご老人や子供が1日滞在したくなるような雰囲気をわかりやすく提案した。他方で多少閉鎖的というのだろうか、スーパー銭湯的な商業性もじゅうぶんに持っていて、それをどう考えるかで評価が分かれた。

審査委員 百田 有希 氏

 書と湯を掛け合わせるプログラムの発見が秀逸です。湯上りに夕涼みをしながら本を読むことを想像すると、確かにずっといたくなるなと思わず納得させられてしまう強さがあります。敷地の微地形を計画に取り込んで道を連続させたり、地域に開かれたプログラムを入れていたり、図書館がまちづくりの拠点となるよう計画されているのも良いと思いました。

審査委員 松原 亨 氏

 朝6時に起きてひとっ風呂浴びて干物と温泉卵の朝食食べて午前中いっぱい面白い小説を読む。そりゃ、最高に決まってる。

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