| 最優秀賞 | 祭り的滞在の谷地 |
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| 優秀賞 | 広場化から考える、まちの駅 |
| PLAT-HOME | |
| ちょっといいが、やってくる | |
| 特別賞 | ひらり屋根に誘われて |
| おくりもの | |
| 都市的淀み場 | |
| 幻影の駅 | |
| 三協アルミ賞 | モノの駅 |
横田 晋一(京都工芸繊維大学)
阪急梅田、日本初のターミナル・デパートが生まれたこの地区周辺は、それまでの上流階級向けの百貨店とは違い、その人衆化を図り、今も多くの人で溢れている。商業の中心地である。私はそのような人が集まる場所であるのに、公共広場として座ることのできる場所の少なさに注日する。地下鉄から阪急へと乗り換える梅田の美しい人廊下に、贈り物として、椅子とテーブルを配置する。普段大勢の人が行き来するその場所は、百貨店の日の前にして人廊下でしかないが、溢れんばかりの人の多さを考えると妥当にも思える。そこに椅子とテーブルを置く、金も払わない人間がそこに終電間際まで居座ることが許される。しかし、消費社会から離れる機会を作り出す、邪魔だと話しかける人もいるだろう。そこで話し合わなくてはならない。場所、土地の使い方を意識しなければならない。文化は、消費社会の中では本質が忘れ去られる一方であるからだ。
人が行き交う阪急梅田の大きなコンコース空間に、椅子と机を提案するという案だ。きわめて現実的、また安価ながら効果の大きさを期待できる提案で、その発想に大阪的なものを感じて、共感した。また、平面図もダイアグラムも用いずに、コンセプトを一枚の絵だけで表現するその単純さも、案の個性によく合っていて、評価された。
敷地に選ばれた場所は大阪の梅田駅に繋がるコンコースで、現在は非常に多くの人が広い通路として使っている場所です。10年ほど前に改修されるまでは、仄暗くとても色気のある場所で、さらに元を辿れば駅のプラットホームだった場所でもあります。かつては動線以外にも人のさまざまな振る舞いが許容されていたかもしれません。最終審査会で語られた物語は、錯綜する他者と自分の関係や、他人同士の関係が織り込まれていました。もしこのような状況になったらどうするだろうかと考えさせられるいい提案だと思いました。
一次審査の時から、そのプレゼンテーションの圧倒的なインパクトで目立っていた提案です。阪急梅田の地下街に、椅子と壁を並べるだけで、居場所を生み出すという大変シンプルな提案でありながら、駅のあり方を問うものになっていたことが魅力的でした。この提案を通して、批評している対象が何なのか、もう少し明確になっていたら、より深い議論ができたと感じます。
2次審査の過程で、提案の中に潜在的にある批評性が浮かび上がってくるのが面白かった。1枚の絵しか素材がない中で、どのように2次審査のプレゼンテーションを行うのか興味があったが、映画のシナリオを考えるように創意工夫を行っているのが良いなと思った。
極めてシンプルな提案でありながら、現代都市における公共空間の質、特に消費行動を前提としない「居場所」の価値を問う、非常に力強いメッセージ性を持っています。既存の機能的で通過的な空間に、最小限の什器で質的な変化をもたらそうとするアプローチは、都市ゲリラ的な発想であり、面白さがあります。一方で、実際に人通りが多い通路に椅子とテーブルを配置した場合の動線阻害、安全性、清掃や管理の問題、および長時間占拠といった課題に対する具体的な解決策が今後の焦点です。創造性がさらに発揮されることを期待します。