| 最優秀賞 | 祭り的滞在の谷地 |
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| 優秀賞 | 広場化から考える、まちの駅 |
| PLAT-HOME | |
| ちょっといいが、やってくる | |
| 特別賞 | ひらり屋根に誘われて |
| おくりもの | |
| 都市的淀み場 | |
| 幻影の駅 | |
| 三協アルミ賞 | モノの駅 |
伊森 万友帆(東京都市大学大学院)
佐藤 優希(東京都市大学大学院)
永田 典久(東京都市大学大学院)
人はなぜ寄り道をするのか。その背景には偶然の出会いへの期待があるのではないだろうか。日常の些細な出来事が私と街との関係を豊かにし、また寄り道を促す。敷地である自由が丘は、細街路に偶発的な出会いを抱く街である。しかし近年の再開発により街区が統合され、細やかな街並みは失われつつある。そこで、自由が丘の特性である「寄り道」を駅に取り込み、日常を彩る新しい自由が丘駅を構想した。駅は多様な人や出来事が交差する場でありながら、普段は無意識に通過される存在である。ここに街の「ちょっといい」を集め、線路上を移動するモビリティとして展開することで、毎日異なる場所に配置され、訪れる人に新鮮な出会いを提供する。既存のファサードを踏襲し街のリズムを受け継ぐことで、自由が丘らしい歩き回る楽しさを駅空間にも取り込んだ。この線路が張り巡らされた動的な駅は、変わりゆく自由が丘に今の面影を残し、人々の記憶に寄り添い続ける。
自由が丘駅の改造計画。新しい軌道を新設して、ミニ電車を走らせて、図書館やお店、公園などが駅前にやってくる。たいへん愛らしく、また楽しい案で、寄り道したくなる自由が丘の街の楽しげな雰囲気が、そのまま駅になったような計画だ。軌道の線形や渋滞など、細かい現実的・技術的・法制度的な問題はあれ、街への愛を感じさせる魅力的な計画だった。
駅そのものも含めた線路上を動くモビリティのデザインというのが提案に面白さをもたらしています。もしこのモビリティが移動できる線路がまちに拡張されるとどのような風景になるのか色々と想像してしまいます。かつて大阪で開催された鉄道芸術祭で見たマティアス・ヴェルムカ&ミーシャ・ラインカウフの映像作品では、二人がお手製のトロッコに乗って夜の線路を走っていました。都市のインフラを自分たちの道具に変えていける可能性を感じました。
二次のプレゼンテーションで、大きな模型を作り込んで来てくださったことで、提案している建築の空間的魅力が伝わったのがよかったです。ただし、自由が丘の既存建物の継承の仕方が記号的になってしまっているのが少し気になりました。例えば、動いてやってくるものが線路上の乗り物に限らず、自転車とかバスとか車とか、さまざまなものが集まり展開しながら、駅と町との関係が変化していく案になっていくと楽しそうだなと感じました。
一次審査ではアイディア的な提案だと思っていたが、2次審査では大きな模型があり、空間的な提案であることが伝わってきた。動くものを提案しているので、繋ぐ先がどうなっているかや、移動している最中の提案がもう少しなされているとさらに良かったと思う。
「自由が丘」の持つ「寄り道」という魅力的な特性を、駅という公共空間に導入しようとするコンセプトで、駅を単なる通過点ではなく、日々変化する「出会いと発見の場」として再定義しようとする意欲が感じられます。「線路上を移動するモビリティ」というアイデアは、空間に流動性と偶然性を生み出し、利用者の体験を豊かにする可能性を秘めています。可動する要素が多いことによる安全性や、日々の配置計画と運営体制の負荷、そして駅としての基本的な機能との両立について、地域との協働で価値が高まるでしょう。