| 最優秀賞 | 祭り的滞在の谷地 |
|---|---|
| 優秀賞 | 広場化から考える、まちの駅 |
| PLAT-HOME | |
| ちょっといいが、やってくる | |
| 特別賞 | ひらり屋根に誘われて |
| おくりもの | |
| 都市的淀み場 | |
| 幻影の駅 | |
| 三協アルミ賞 | モノの駅 |
松永 賢太(横浜国立大学大学院)
日本は中世よりいわゆる西洋的な広場はなく、道や辻、橋のたもとなどがあるとき広場となることで存在してきた。その動的な運動を広場化と定義する。近代の日本の駅は、街の中心に位置し、さまざまな行為を取り込み複合化することで便利になった。一方で、街と分断され、機能区分が分かれた単機能的な都市を助長したと考えます。機能によって合理的にゾーニングされてきた都市を、越境することのできる概念として「広場化」に着目し、都市的・建築的操作に用いる。大きなハコとして駅を作るのではなく、まちの部分が広場化し、駅の様相を持ち合わせることで、まちが駅の機能を補完する。カフェや小さなギャラリーは電車を少し待っている間の待合所になったり、昔からまちにある古本屋さんは案内所になったり、マーケットが駅員さんになったり、駅で起こっていた活動はまちに還元され、連続し、寄り道したくなる駅(あるいはまち)となる。
「広場」という固定的存在に対して、「広場化」といういわば生成される動的空間を対置させるアプローチで、現れては消える駅前空間を提案した。案そのものというよりも、概念的アプローチの面白さが高く評価された。かたや案のほうは意外に普通というか、もう少し広場化という概念の面白さを活用してもよかったのではないだろうか。
駅に改札のようなゲートがなくなり、道と同じレベルで電車の発着場とつながるようになった場合、本提案のように、どこからどこまでが駅なのかはよく分からず、まち全体が駅のようになりそうで面白いと思いました。巨大資本による駅ビル開発で有名店が誘致されたり、チェーン店が出店されるのではなく、元からまちにあった小さな商店に勝機が生まれそうです。
広場化、という概念を使って、新しい駅前広場のあり方を提示しているのが魅力的でした。西洋的/固定的なイメージの広場ではなく、まるで洛中洛外図のように動的かつ情景的な駅前広場のあり方に向かう姿勢に共感しました。同時に、そのような動的な広場のあり方にふさわしい建築言語とは一体どのようなものなのか、その先の提案をもっと見てみたい気持ちにさせられました。
広場化という概念を発明しそこから提案を組み立てていたのが素晴らしいと思った。具体的な提案では、敷地の地形的な特性と呼応しながら発見的な建築言語につながっているとより良い案になったのではないかと思う。
「広場化」という概念で、駅と街の境目をなくし、交通機関としてだけではなく、地域の人々が交流したり活動したりできる場所にすることを目指したコンセプトです。新しい建物を建てるのではなく、既存の道や辻などに駅の機能を自然に広げていくため、街の雰囲気を壊さず溶け込むような、繊細な発想が素晴らしいです。電車を利用する人々の安全や便利さを確保しながら、この「広場」で具体的にどんな活動ができ、どうすれば人々が自然に集まるかなど、実現に向けたさらなる工夫が楽しみです。