| 最優秀賞 | 祭り的滞在の谷地 |
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| 優秀賞 | 広場化から考える、まちの駅 |
| PLAT-HOME | |
| ちょっといいが、やってくる | |
| 特別賞 | ひらり屋根に誘われて |
| おくりもの | |
| 都市的淀み場 | |
| 幻影の駅 | |
| 三協アルミ賞 | モノの駅 |
西本 皓翔(九州産業大学)
電車は決まった時間に駅にやってきます。その間、人は自分の世界に閉じこもり、ただ待つしかありません。この「必然的滞在」ともいえる行為は、本当に楽しい時間なのでしょうか。退屈やストレスを感じ、駅を魅力のない場所だと思ってはいないでしょうか。ではもし、駅が谷地のような場所になったらどうでしょう。人が自然に引き寄せられ、流れ、そして立ち止まる。谷にたまる水のように、人もまたそこに滞在し、出会いや会話が生まれていく。電車が駅で流動と滞在を繰り返すように、人もまたこの谷地で流れと滞在を繰り返すのです。その中で、偶然の出会いや交流が祭りのような賑わいをもたらすかもしれません。初めて訪れた人にとっては土地を知るきっかけとなり、好きなものを共有する人にとっては集う楽しみを実感できるでしょう。駅が交通の機能を超える時、あなたは「待つ」ことを忘れ、この時間が続けばいいと思えるのではないでしょうか。
福岡の海近くの駅の計画である。2枚の曲面が重なり合う構成で、上のレイヤーが懸垂曲線、下のレイヤーがアーチとなって、谷や丘のような空間をつくりだす。その造形的豊かさと、環境と建築の連続性が高く評価された。いろいろ問題点も多く、もっともっと良くなる案だが、建築的構築に向かうまっすぐさに共感した。
昔見た「バックトゥーザフューチャー」という映画の中で、主人公の住んでいる宅地の名前が「ヒルバレー」でした。丘と谷という反対の地形が一緒になった名前で面白いなあと思いました。この案は谷と丘が連続しています。ひらけたり、閉じたり、空気の流れや匂いなど、さまざまに違った感覚を人にもたらす面白さがあります。一方で、その勾配や、地面との接点、屋根との関係性などまだまだ考えることができます。
丘と谷、という二つの地形的な形態言語を使って、どのように人が集まり、電車が行き交えるかを実験した駅の提案。建築そのものの提案としては、まだまだ改善の余地があるものの、建築のもたらす可能性を信じ、ダイナミックに提案しているところが素晴らしいと感じ、最優秀賞に選ばれました。丘と谷という二つの形態言語を使って、もっと効果的にさまざまな居場所を生み出せると感じたので、ぜひ継続して研究を続けてもらいたいと思います。
形をつくることを通して考えようとする姿勢が素晴らしいと感じた。具体的な設計は、どちらかと言うとうまくいっていない部分の方が多かったと思うが、案が持つ可能性の広がりと、格闘している姿勢に共感した。
「谷地」という自然の地形から着想を得て、駅という人工的な空間に「祭り的」な賑わいと滞在性を生み出そうとする、非常に魅力的なコンセプトです。駅の「待つ」時間を「楽しい滞在」へと転換する試みは、利用者の体験価値を大きく向上させる可能性を秘めています。具体的な空間デザインの提示は少ないものの、人々が自由に回遊し、偶発的な交流が生まれるような場の創出を目指している点が伺えます。構造的な実現性や、駅としての機能との両立、そして「祭り的」な賑わいを日常的に維持する運営体制が課題となるでしょう。今後の検討と工夫により、さらなる発展が期待されます。