| 最優秀賞 | 祭り的滞在の谷地 |
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| 優秀賞 | 広場化から考える、まちの駅 |
| PLAT-HOME | |
| ちょっといいが、やってくる | |
| 特別賞 | ひらり屋根に誘われて |
| おくりもの | |
| 都市的淀み場 | |
| 幻影の駅 | |
| 三協アルミ賞 | モノの駅 |
中尾 美貴子(東京理科大学大学院)
村上 祥太(東京理科大学)
縮小する都市の中で低層住宅群に寄生するように存在する大屋根により、「大きな一つの家」のような駅となり、まるで日常のなかの何気ない生活ほど些細な寄り道と公共をもたらす。このようにふらっと(PLAT)よりみちできる家(HOME)のような安心感を孕むこの新しい駅は、煌びやかな集会でなく人間に必要な「共有された孤独」と形容できるような地味でジメジメした公共空間を提供する。このパッケージ化されない公共空間は人間にダンゴムシ的な自由な生活と存在を与えてくれるのではないか。ダンゴムシは自分にとって最適な環境を探しながら、石の裏をも住処とする。この土地には街区に対して軸のずれた建物が並ぶことで、不整形な余白が生まれている。私たちもまちの裏側である、この入り組んだ余白の中を寄り道しながら歩くうちに、居場所を発見する。本質的な大きな心の帰り場としての駅となる。
開発が進む大都市のビルの裏側にひっそりとたつ木造民家群、その横の駅舎、また大通りの交差点、いくつかの商業建築などに大屋根をかけてそれらを統合し、人の居場所を作り出すという案で、ある意味で大開発計画だが、表と裏、光と影、新旧といった都市が持つ二面性を喪失せずに、というかむしろその二面性を開発によって現代化させるという案で、たいへん面白かった。
まちの巨大施設に対して小さなスケールの場所を、合目的的な行動に対して寄り道を、そしてどの軸線にも重ならないような大屋根を強引に掛けるというように、私たちが暮らしたい社会やまちは今あるものと違うのだという現在の都市のあり方に対する明快な態度表明であると思いました。ただし、全てに抵抗するというのではなく、接木のようにつくっていくその姿勢に共感できます。しかし、その小さなスケールの場所をどのように使うか工夫が欲しかったです。
新幹線道路の高層ビルの間から顔を出す、背後の低層の家屋群に、まとめて大きな屋根をかけることで、低層家屋群の存在意義を問い直すような駅の提案となっていたことが魅力的でした。プレゼンテーションでは、ダンゴムシというキーワードから、孤独を愛する個人の居場所を重視する点が強調されたため、少し論点がずれてしまった印象がありますが、さまざまな角度で評価できる豊かさのある提案でした。
模型に迫力があった。街を横断するようにかけられた大きな屋根が、大通り沿いの巨大開発に対抗する存在になっていた。ダンゴムシというコンセプトが限られた人のためというよりも、裏や孤独を許容するまちというように、特定の状況から多くの人に開かれた考えとなっていれば、最優秀賞になり得た提案だったと思う。
「ダンゴムシ的」という擬態から着想を得て、駅を「いろんな人が思い思いに過ごせる、居場所がたくさん集まった場所」と捉える点が非常にユニークです。都市の「縮小」という社会課題に対する提案として、公共空間の新しいあり方を示唆しています。低層の大きな屋根は、住宅スケールと調和しつつ、カフェやコインランドリーといった多様な用途を内包する「家」としての駅を表現しており、地域住民の日常に寄り添うデザインですが、「共有された孤独」という繊細なコンセプトを空間でどう実現し、運営していくかが鍵となるでしょう。