第6回 受賞作品

特別賞

風ケイ室 〜Connect-Scape〜

佐藤 椋太(北海道大学大学院)
寺嶋 啓介(北海道大学大学院)

コンセプト

 北海道札幌市郊外の麻生町。交通の要所であり、学生が多く行き交う街である。商店も多く点在するが、近年空き部屋、空きテナントの問題が顕在化する地域である。
商売の背景には、“もの”づくりがあり、“制作者”がいる。制作者への歩みを支える専門学校と商店が出会うことで、“もの”づくりのプロセスまでを商店街に組み込んでいく。
既存建築の2階を街区全体で共有し、敷地に張り巡らせた歩廊によってGL+3500を新たな生活基盤へと転換する。さらに、北海道の必須空間・風除室を、都市空間との積極的な関係により「風ケイ室」へと変える。建築と都市空間の中間領域である「風ケイ室」では、“もの”と“制作者”の関係が密接に結びつき、“制作者”と“もの”の性格が空間に刻まれ、色とりどりな場が商店街全体へと広がっていく。
訪問者は、“制作者”ごとに多様な変化を持つこの商店街で、新たな人・もの・場所との出会いを探して歩き出す。

講評(敬称略)

審査員長 西沢 立衛

 雪が深く寒さもきびしい北海道の町で、ガラス温室や空中歩廊などを使ってビル同士をつなげ、ひとびとの関係を作り出してゆく提案である。三協アルミ商品ハピーナリラに着想を得て、それをダイナミックに展開させているところに魅力を感じた。斜めグリッドの空中歩廊は多少やりすぎかなあ?と感じなくもなかったが、北海道の風土を感じさせる提案というところも魅力であった。

審査員 大西 麻貴

 雪深い北海道の気候から、風除室を単なる風除室としてではなく、風景を楽しめる透明な部屋と位置付ける提案。三協アルミさんの製品をうまく利用し、透明な箱が街に立体的に現れる空間を作っていたところが魅力的であった。風除室を風ケイ室にかえる、という一見ささやかな行為と、立体的に空間を提案したいという建築的野心が一体となって、最終的にはいろんなところに空中ブリッジが現れるダイナミックな提案になっていたところに勢いがあって面白かった。

審査員 百田 有希

 提案が少しアイディア的かなとも感じたが、寒冷地という地域特性の援護射撃も得て、説得力のある面白い提案だと思った。風ケイ室が十分面白いアイディアなので、それを中心に計画し、既存の商店街やまちがどう魅力的に変化したのかを伝えるとより良かったと思う。

審査員 白井 克芳

 カーボンニュートラルに向け地産地消が進む中、「売る」だけでなく「作る」にも焦点を当てていることが気に入っています。その実現に向けた「風ケイ室」のアプローチ方法も分かりやすく、「風ケイ室」からもたらされる色々な情報で制作者は影響され学び、時代毎に合った価値が生まれていき、色褪せない無限の価値提供が想像され、楽しくなります。

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