最優秀賞 | 家から出ても、わたし、まだ はだし。 ―住居を繋ぐ、はだしの共有スペース― |
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イエのロジ | |
優秀賞 | 湯/塔のある暮らし |
マチイエ | |
特別賞 | ずっといたかった場所 |
匂いを紡ぐ土蔵 | |
Urban Mountain | |
三協アルミ賞 | 解体新処 [建材提案:熱で延びるアルミ建材] |
中野 翔太(近畿大学)
樋富 菜々子(近畿大学)
井上 真由(近畿大学)
この建築は、三戸の住宅に囲まれた余剰空間である空き地を利用し、三戸に住まう子供たちにとっての新たな居場所を提案します。子供の身体スケールで、空間を作り出すことで、大人の世界からはどこか離れた、新たな空間を子供たちは見つけ出します。そしてこの秘密基地のような空間が、子供たちにとって小さな住まいで過ごすような感覚になるのではないだろうかと考えました。また、子供たちが成長するにつれて窮屈になる空間に哀愁を感じ、自分自身が大人になった時、自身の子供がそこで遊んでいる風景を見ることで、子供の頃に感じたずっといたかったという気持ちを再確認できるのではないかと考え、私たちは設計しました。
物語の筋書きに、疑問に感じる点はいくつかあったが、提案された建築がモノとして魅力があり、優秀賞を獲得した。物語の説明に多くのエネルギー(とプレゼンテーション時間)を割いたが、もう少しストレートに建築構成の説明をしてもよかったのでは、とも思った。あと、「ずっといたかった」と過去形になる点は、最後まで歯切れが悪かった。
「ずっといたくなるすまい」として、子どものころにずっといたかった秘密基地のような場所から着想を得たところがよかった。空間についても、模型を作りながら魅力的な場をつくろうという意志が感じられたので、もっと思い切って空間をつくりきってもらえるとよかったと思う。空間にとって一番大切なところを、自由につけたしたり変えたり出来る布やロープにしてしまったところが少し残念だった。
こどものころ秘密基地をつくった感覚を思い出すと、もしかしたら家の外でも、裏庭だって、まちの中だって、「ずっといたくなる」場所になり得るのではないかと想像が膨らんだ。提案はこどもたちの遊び場だったが、こどもの視点を契機に、ずっといたくなる場所が家を超えて広がっていくような提案の方法もあったのではないかなと思った。
ビジュアル的にメルヘンチックで、誰もが経験した子供の頃感じた「ずっといたい」を呼び覚ますそんな作品です。敢えて抽象的な表現にすることで受け手一人一人の感性に委ね、その人その人のあの頃の懐かしさと温かさをまばゆく思い起こさせ、ふっと過去に戻れる不思議な魅力があります。