第2回 学生デザインコンペ受賞作品

三協アルミ賞

感じながら過ごす

大石 理奈(名古屋工業大学)


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コンセプト

日々を過ごしながら、いつも知らぬ間に流れている時間、いつのまに変わっている季節。私は感じることができずに過ごしているのではないか。

幼いときは、雨の日は縁側で、屋根から落ちる雫を目で追いかけて、窓ガラスについた水滴がゆっくり流れるのをずっと見て、飽きることがなかった。

晴れの日は雲の流れや形が変化するのをみながら昼寝した。

ずっといたくなる場所は変化を感じることができるところである。

周りがじわじわとゆっくり変化していく。私はそれを目で、体で追いかけたくなる。

ここでは天気の変化、時間の流れ、季節のうつろいを存分に感じることができる。

ここに来る人は、自然、あるいは自分が起こす小さな変化の発見に喜びを感じることができる。

時が経つのと共にずっといたいと思うことができる場所を提案する。

講評

審査員 三協立山株式会社 三協アルミ社 事業役員 技術開発統括部 統括部長 白井 克芳

 窓は景色を切り取り住まう人に癒しや居心地の良さを与えますが、写す対象を誰でも公平に供給される自然現象による変化、移り変わりに置き、それを楽しむスクリーンを広げ多面化し部屋全面とし、その上で「ずっといたくなる場所」を誰もが有する日常の住まいとしている点など豊かな感性で背伸びすることなくまとめられた提案は、多くのシチュエーションに共感を覚えると共に内と外を隔てる壁面に人の感情を豊かにする性格を最大限注入した画期的なものとして強い衝撃を受けました。また建材提案いただいた「糸のように軽いけど強度のあるアルミ」は、実現に向けて高いハードルではあるものの、その発想はこれまでの固定概念を大きく覆すものでありそのコンセプトは今後のサッシやカーテンウォールの新しい価値を創造していく上で必要不可欠である「組み合わせ効果の創出」に直結するものです。前述の全面スクリーンと合わせ多くの技術開発担当から共感を得ました。

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