アルミの基礎知識

アルミサッシができるまで

4.皮膜処理

押出し加工されたアルミ形材は腐食に耐えたり、美しさを保つために表面処理をします。

皮膜処理:写真1 形材の硬度を高めるため熱処理をした後、
表面処理のために、形材をたてに吊るします。
皮膜処理:写真2
皮膜処理:写真3 陽極酸化皮膜処理をします。
溶液を入れた電解槽の中に、アルミ建材を浸して電気を通し、電気分解によってできた酸素が、アルミニウムの表面に着き、酸化アルミニウムの膜を作ります。 このようにアルミニウムの表面に電気化学的に酸化皮膜を作ることで、アルミニウムの耐食性・耐摩耗性・装飾性を高めます。

表面処理:皮膜・塗装

アルミニウムは自然の状態でも薄い安定した酸化皮膜に覆われていて、美しい銀白色をしています。 そして腐りにくいという耐食性にも優れた金属です。 さらにこの表面の耐食性を高め、装飾性や耐摩耗性を与えるために、アルミニウムの表面を処理して人工的に酸化皮膜を厚くします。

陽極酸化皮膜

陽極酸化皮膜は、水の電気分解と同じ原理を利用したものです。
水(H20)を電気分解すると、陽極(+)からは酸素(O)、陰極(−)からは水素(H)が発生します。

陽極酸化皮膜

この陽極をアルミ材に変え、電気分解をすると同じように陽極(+)から酸素(O)、陰極(−)から水素(H)が発生します。
この陽極から発生する酸素とアルミニウムが化学反応をおこして、酸化アルミニウムの膜を作ります。これが陽極酸化皮膜処理の原理です。

酸化皮膜の構造

酸化皮膜の構造

陽極酸化皮膜処理で作られた酸化皮膜には、たくさんの孔があいています。
この孔をふさがなければ、耐食効果がありません。
酸化皮膜に高温の水蒸気にあてると、膜の分子が水分を吸い込んで膨れ、すき間を埋めて、孔のない硬い膜ができあがります。

活性層:
アルミニウム面と接する部分。無孔質で誘電製がある。
多孔層:
中央に星状の孔がある六角柱状の小さな部屋が密集している。

陽極酸化の方法や構造を利用した着色

陽極酸化の方法や構造を利用して、アルミニウムに着色することができます。

1.電解発色(自然発色)
陽極酸化処理によって染料や金属塩を用いず、アルミニウム合金の材質および電解条件の組み合わせにより発色させる方法です。(皮膜に色がつく) 普通 アルミニウムは白銀色ですが、アルミ合金の種類や電解溶液の種類・温度、時間電流密度などによって色が変化します。
2.電解着色
酸化皮膜を作った後、アルミ材を水溶液に浸して、電気分解することで、皮膜の孔の中に色の着いた無機物を沈着させる着色方法です。 この処理面は、耐候性に優れていて、紫外線で変色したり退色することがありません。
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