使われていなかった庭に、室内を拡張することで生まれた“大人のための上質なアウトドアリビング”。今回は、株式会社みどりDesign室「五感+」の田村哲也様に、「フレーム」×「パーゴラ」を取り入れたP様邸のプランを解説していただきます。実際に暮らしてみて感じた変化について、施主様にもお話を伺いました。
家にいながら、光や風、緑、季節の移ろいを感じられる。忙しい毎日だからこそ、そんな場所が身近にあることはこの上ない贅沢かもしれません。リビングがもうひとつ増えるだけで、家族の過ごし方にも変化が生まれます。自然と会話が増え、ペットと一緒にのびのびと過ごせて、気持ちをリフレッシュできる。アウトドアリビングは、そんな豊かな人生を送るための「特等席」だと思うのです。
せっかくテラスを設えても、夏の日差しが強くて外に出られない…。そんな悩みを解消するためにおすすめなのが、パーゴラです。パーゴラの格子とタープによる適度な光と心地よい日陰は、庭を「四季を感じながら過ごせる場所」へと変えてくれます。さらに、天井があることでほどよい“囲われ感”が得られ、外にいながら室内のようにくつろげる “もうひとつの居場所”が完成するのです。

P様邸では、施主様からの「外で楽に過ごせるスペースがほしい」や「ワンちゃんをお庭で放せるように」、「ローメンテナンスの庭に」といったリクエストに応え、生垣や芝生のオープンスペースを“室内からつながるアウトドアリビング”へと再生しました。
アウトドアリビングで大切なのは、閉じ過ぎず、開き過ぎないこと。目隠しをタイル壁や塗り壁だけでつくると、室内にも街にも圧迫感を与えてしまいます。「フレーム」×「パーゴラ」なら、立体的なフレームと格子で空間を緩やかに仕切り、プライベート感と開放感を両立できます。


P様邸のアウトドアリビングでは、木調色と黒色をベースに、グレイッシュな色味をプラス。ナチュラル過ぎず、室内のような落ち着きが感じられるシックな雰囲気に仕上げました。一方で街並みの景観に配慮して、目隠し壁には自然素材を取り入れています。
タイルテラスに高さを設け、室内とフラットにつなげることによって空間に広がりと奥行きが生まれます。テラスに取り込んだ花壇にも高さを持たせることで、植栽が自然と視界に入り、緑をより身近に感じられるアウトドアリビングに。手が届く場所にあることで、管理もラクになります。


昼間は、パーゴラ越しに差し込む光と影が、空間に心地よいリズムを与えてくれます。夜は、フレームに施したライティングが空間をやわらかく浮かび上がらせます。外に漏れるあかりが、街並みにほどよい温もりと奥行きをもたらします。
アウトドアリビングは屋外にあり雨風や紫外線の影響を受けやすいため、お手入れのしやすい素材選びもポイントです。P様邸でも、強度と耐久性のある自然素材やタイルで空間を構成しています。特に天井部分は、メンテナンスが負担になりやすい場所。その点、アルミ製のパーゴラはサビや色あせに強く、美しい状態を長く保つことができます。
パーゴラの日陰は、外に出たいワンちゃんにとっても過ごしやすい、安らぎのスペースに。テラスに集う家族の目がいき届くので、リードいらずで安全に遊ばせることができます。
テラスのタイルは滑りにくいものを選択。花壇に高さを設けることで、上り下りできて格好の遊び場になります。植物は、ワンちゃんに無害なものをセレクトしています。
施主様がワンちゃんと一緒にリラックスして過ごしたいときのために、テラスの壁にリード用のフックを取り付けました。
囲われ感のあるテラスと、開放的な芝生。異なる2つの空間があることで、ワンちゃんが自由に行ったり来たりして遊べます。さらに、庭と建物裏側の通路をつないで、ワンちゃんが気ままに走れるドッグランに。水栓をテラスのそばに設置し、植物への水やりに加え、ワンちゃんの「足洗い場」としても使えるようにしています。
クラフトチェリー(YC)
P様邸で採用した『アウトドアフレーム L-Class』。決め手になったのは、天然木のようなリアルな質感と、ノイズをなくした美しいデザインでした。上質なタイルやファブリックに一般的なアルミ素材を組み合わせると、空間の重厚な雰囲気を崩してしまうこともあります。その点、『アウトドアフレーム L-Class』は思わず触れたくなるような木目の表情と、ネジや接合部を見せない美しいディテールが魅力。私たちが目指した“大人のための上質なアウトドアリビング”にぴったりでした。


「五感+」が大切にしているのは、五感に加え、心に響く空間提案。住まい手それぞれの「安心の境界線」をミリ単位で探り当てること。さらに、その庭が時間とともに「地域の美しい風景の一部」として育っていくこと。こうした視点を大切に、一人のデザイナーが、施主様の人生と街の未来に責任を持ち、最後まで寄り添っていきます。