自宅の庭やベランダなどで野菜や果樹を育てる家庭菜園。家で楽しめる趣味として注目を集めています。いざ始めるにあたって知っておきたい基礎知識を、株式会社イチゴテック代表取締役の宮崎大輔様にお伺いしました。家庭菜園を始める参考としてお役立てください。
家庭菜園の大きなメリットは、自分で作物を育て、収穫する喜びを味わえる点です。手間と時間をかけて育てる充実感は他ではえがたい経験です。採れたての新鮮なものを安心して食べられることもメリットの一つです。
また、「子どもと一緒に始めた」という方も多いですね。いつも口にしている野菜がどのように育っているのかを学ぶ機会にもなり、食育にも役立ちます。子どもが苦手なピーマンなどの野菜を、「自分で育てているうちに食べられるようになった」という声もよく聞かれます。
育てる楽しみや食べる楽しみを味わえる家庭菜園をぜひ始めてみませんか。
家庭菜園を始めるのに良い季節は主に春か秋です。春に種まきや植え付けをし、夏から秋にかけて収穫を行う野菜がおすすめ。それぞれの野菜の「生育適温」も調べてみましょう。
お住まいの地域がどのような気候かも調べておく必要があります。日本の国土は南北に長いため、北海道と沖縄では気候が大きく異なり、太平洋側と日本海側でも違います。インターネットや書籍の情報は、関東を基準にしていることが多いのでお住まいの地域に合わせた最適な栽培時期を把握しておきましょう。
野菜がよく育つ環境とは、「しっかり日光が当たる」「水はけが良い」「風通しが良い」という3つの条件が揃っていることです。環境を整えて元気な野菜を育てましょう。
■日当たり・水はけ
日当たりや水はけが良い場所で育てるのが理想的ですが、中には日陰を好む野菜や少し湿っている状態の場所を好む野菜もあります。育てる野菜の特性をよく調べておきましょう。一般的に、実がなるものは光が強いほうがよく育ちます。レタスなどの葉物野菜や、ミント、バジル、カモミールのようなハーブ類は比較的光が弱くても元気に育ってくれますよ。
また、水はけが良くないと、梅雨や台風などの長雨で水没するリスクなども考えられるため、畝を高めに作っておくことも必要となります。
■風通し
野菜作りには風通しの良さも必要です。
風通しが悪いと温度が上がりやすくなり熱がこもってしまいます。遮るものがない通気性の良い場所を選びましょう。風が強すぎると茎が折れてしまうこともあります。高台や海沿い、台風が通る地域では庭木を植えたり、フェンスを設置することなども有効です。
背抜き手袋、ジョーロ、ハサミ、スコップ、苗、支柱、肥料などです。ビニールマルチ、防虫ネット、土壌改良材なども必要に応じて揃えましょう。
100円ショップの園芸コーナーに行けば、ほとんどの道具が揃います。野菜の種も品質のいいものが揃っていて、少量なので使いやすいです。ビニールマルチも2m〜3mの家庭菜園向けが手軽に購入できます。
苗や肥料はホームセンターがおすすめです。品質が高く品揃えも豊富で、何を選べばよいか専門家に相談できることもメリットです。
100円ショップとホームセンターを上手に使い分けるとよいでしょう。
■ビニールマルチ
畝の上にビニールマルチを敷くと雑草が生えにくくなり、保水されて水やりの回数が減らせるなどのメリットがあります。
■防虫ネット
キャベツやホウレンソウなどの背の低い野菜であれば、「防虫ネット」を使用することで虫を寄せつけずに栽培でき、虫を駆除するための農薬を使う必要もありません。
アイテムを収納しておけるスペースが近くにあると便利です。
ホームセンターなどで手に入るコンテナがおすすめです。庭にスペースがあれば、物置等を設置するのもよいでしょう。
『ガーデンルーム』があれば、室内での栽培も可能です。天候に左右されることなく、プランターなどでさまざまな野菜や果物を育てられます。
通常は春に収穫するイチゴも、ガーデンルームなら冬から収穫できます。バナナやパイナップル、アボカドといった熱帯の作物もガーデンルームがあれば温度管理もしやすくなるので育てることが可能です。パッションフルーツはとてもゴージャスな花をつけるので、観賞用としてもおすすめですよ。野菜や果物だけでなく、いろんな植物も栽培でき、いっそう楽しみが増えて夢も広がりますね。