犬と笑う庭づくり

犬の運動不足やストレスを解消するためにも、庭は役に立つスペースです。
ただし、忘れてはいけないのが犬の特性に配慮した庭づくりを工夫すること。
そこで、犬に安全・快適な庭をつくるために必要不可欠なポイントをご紹介します。

  • 犬と笑う庭づくりのための気をつけたいポイントと対策を見てみる?ポイントと対策を見る
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実例紹介

犬はかけがえのない家族だから、一緒に楽しく暮らしたい…そんな希望をかなえたお庭の実例をご紹介します。
犬にも人にも心地よく安全な庭づくりを、ぜひご参考に!

  • 愛犬3匹と子ども3人がのびのび駆けまわる開放的なドッグガーデン
  • 晴れても雨でも、いつも快適ガーデンルームで日中のお留守番も安心
  • 飛び出しをしっかり防ぎ段差もクリアして目を離しても安心なお庭に
  • 骨折なんて二度とイヤ!すみずみまでデッキを敷いて木陰や屋根で心地よく
  • 空の下で愛犬が元気に遊びお客様もお茶しながらのんびり過ごせる交流デッキ

4つの目的別ガーデンプラン例をご紹介!ぜひ、参考にしてください。

家族も犬も笑顔になれる 幸せガーデンプラン

  • プラン1 大好きなお散歩!準備も後片づけもラクラクだね!
  • プラン2 犬が苦手な人も安心!お客様を気軽に呼べるのってうれしい!
  • プラン3 お庭いっぱい駆けまわって、いつも元気!いつもハッピー!
  • プラン4 気持ちいいね!家族みんなの青空リビング

監修:一般社団法人 犬と住まいる協会

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イラストレーター

あらい のりこ

1996年、セツ・モードセミナー卒。
愛らしく、温かみのあるイラストが人気を呼び、雑誌や書籍、広告など幅広いメディアで活躍中。現在、コッカプーの大福ちゃんと一緒に暮らしている。主な著書は「ボールペンでちょこっと手帳イラスト」(永岡書店)、「気持ちを伝えるゆるぼけ かわいいイラスト帖」(エムディエヌコーポレーション)など。
http://arainoriko.com/index.html

「犬と笑う生活」(永岡書店)は、あらいさんの実体験をもとにした実用イラストエッセイです。あらいさんの犬とのつながりの第一歩は、お姉さんが初めて飼った犬を便乗してかわいがったこと。しつけ無視でべたべたかわいがったことが原因で、次第に犬の要求がエスカレートしてしまい、家族以外には吠える、噛むなど、超神経質でわがままな犬に。あらいさん自身も犬に振り回される生活に陥り、この失敗から、一度犬と離れることを決心。頭を冷やして犬のことを一から猛勉強し、ついに新しいパートナー、子犬の大福ちゃんを迎え、新たな犬との暮らしが始まりました。「今度こそきちんとしつけをする!」と誓ったあらいさん。大福ちゃんを立派な家庭犬に育てるとともに、あらいさん自身も飼い主として成長していく姿がさまざまなエピソードとともに描かれています。そして、タイトルに込められているのは「きちんとしつけをすると、犬も人も楽しく笑って過ごせる!」というあらいさんのメッセージ。愛犬家なら共感できること間違いなしの一冊です。

逃走・飛び出し しっかり囲って命を守る。高さやすき間にも注意!

犬は隙があれば外に広がる世界に出て行ってしまいがち。
しかし、「動物愛護法」でペットの飼い主は逃走を防ぐ義務があります。愛犬の命を守るためにも逃走・飛び出しをさせないエクステリアの工夫が必要です。

  • フェンスを見直す
  • 門扉をつけよう
  • ■高さ
    犬の大きさやジャンプ力を考慮して飛び越えられないようにフェンスの高さを設定しましょう。小型犬のトイプードルでもハイジャンプ競技で100cmを超える記録があるので油断は禁物。余裕のある高さにしておきたいものです。
    ■形状
    犬がフェンスに足をかけた際、爪がフェンスに引っかかって外れなくなったり、ケガをする危険性があります。また、犬によってはフェンスをよじ登って外に出てしまうこともあるので、足をかけられない形状を選びたいもの。穴掘りが得意な犬はフェンス下に穴を掘り、そのすき間から脱走することもあるので、基礎部分にも注意が必要です。

    犬はあなどれないジャンプ力があります。愛犬のジャンプ力を知って、それにふさわしい高さのフェンスを設置しましょう。

  • ■種類
    「開き門扉」は犬が取っ手に手をかけて解錠する恐れがあるため、「引戸門扉」を使用するのがベター。
    また、犬は押す動作は得意でも、横に引く動作は前足だけでは難しいため、「引戸門扉」のほうが逃走防止には適しています。
    ■開閉の向き
    犬は門扉を押して扉を開けることがあるため、開き門扉の場合は内開きに施工を。
    門扉本体と地面の間から逃走することもあるので、すき間をなくし、さらに穴が掘れないような工夫も必要です。

    <穴掘りが得意な犬種>ダックスフンド、ウェルシュコーギー、ビーグル、テリア種、ラブラドールレトリバー、ゴールデンレトリバーなど

    豆知識―どうして穴を掘るの?―

    犬が穴掘りをする理由は

    1. @巣穴に暮らしていた習性のなごり
    2. A土の中が涼しいと知っていて暑さをしのぎたいため
    3. B食糧を隠しておく習性のなごり
    4. Cストレス・不安の発散
    5. D飼い主の気を引くため――など。

    犬にとっては穴が掘れる環境も必要かもしれませんが、脱走を防ぐために門扉やフェンス付近は穴が掘れないようにしましょう。その代わり、穴が掘れる遊び場を用意してあげると、他の場所で穴を掘る頻度は減ります。夏の暑さをしのぐために穴を掘ってお腹を冷やし、体温調節も行うので、穴掘り場は日当たりの強い場所を避け、できるだけ涼しい場所にしましょう。

ケガ・骨折 落下や転倒を防いで、楽しく走りまわれるように

高い場所からの落下、足場の悪いところでのつまずきや転倒など、毎日の暮らしの中で犬が思わぬケガをすることがあります。
特に庭などの屋外空間は犬が喜んで走りまわるので、
危険箇所をなくしましょう。

  • 滑りにくい床材を選ぶ
  • 段差をなくす
  • 犬にとって滑りやすい床は体に大きな負担がかかります。
    特に大型犬や胴長短足犬は足腰への負担が大きく、椎間板ヘルニアなど介護が必要な病気を発症する恐れも。それを防止するために、テラスやデッキなどの床材には滑りにくいものを選びましょう。

    滑りやすいテラスや玄関前などのタイル張りの床や、ワックスがけをして表面がツルツルの天然木デッキなどは犬が滑りやすく、ケガにつがなる危険があります。<足腰への負担が大きい犬種>ダックスフンド、シーズー、ウェルシュコーギー、ペキニーズ、ラブラドールレトリバー、ゴールデンレトリバーなど

  • 犬にとっては段差も足腰への負担が大きく、さらに高低差を判断しづらいため、転落事故につながる危険性も大。特に老犬、高齢犬、胴長短足犬は注意が必要です。そこで、段差のできる場所にはスロープを設置し、足腰への負担を軽減してあげたいもの。あらかじめスロープの幅を広くとっておくと、万が一介護が必要になっても犬が歩きやすく、飼い主も介護がしやすくなります。

    <足腰への負担が大きい犬種>ダックスフンド、シーズー、ウェルシュコーギー、ペキニーズ、ラブラドールレトリバー、ゴールデンレトリバーなど

やけどや熱中症 犬は体温調節が難しいので、熱さ対策は万全に!

犬の汗腺は主に肉球にしかなく、人間のように発汗による体温調節がほとんどできないため、暑い時期は想像以上に暑さの悪影響を受けます。
また、裸足で歩く犬にとっては高温の床も危険が潜んでいます。

  • 日陰をつくる
  • 床の温度に注意
  • 洗い場に注意
  • 暑い日に犬を庭で遊ばせたり、日当たりの強い場所で過ごさせると、熱中症を招く危険が高まります。ですから、暑い時期には屋根やターフ、植栽による木陰などを利用して屋外に日陰を数カ所つくりましょう。
    そうすると、犬は涼しい場所を選んで移動することができます。

    暑い時期に犬を日の当たる場所につないでおくのはもってのほか。大きく口を開けてハァハァと苦しそうに呼吸をするのは危険信号です。

  • 地面と体の距離が近い犬は、人よりも地面からの放射熱を受けやすく、体感温度が高くなります。また、高温の床や路面などを歩けば、肉球をやけどする危険も。肉球は地面に接する部位なので、やけどをすると治るのに時間がかかり、細菌等が入って悪化する場合も。散歩時だけでなく、自宅敷地の地面や床面の温度にも十分に注意を。

    豆知識―肉球の役割とは?―

    肉球の役割は、まず「足の保護」。歩行時や着地時の足への衝撃を吸収するクッションのような働きがあります。次に「体温調節」。肉球には汗腺があり、発汗により体温調節をしたり、肉球が乾燥するのを防ぎます。そして「感覚器官」。肉球にはたくさんの神経や血管が分布しており、触覚・圧覚・温度感覚・痛覚などの感覚があります。このように、肉球は犬にとって大切な部位なので、ケガをさせないことが重要です。
  • 犬を洗う場合、家の浴室で行う人が多いようですが、寄生虫やズーノーシス(人畜共通感染症)の危険性があるため、犬の洗い場を別に設けるのが理想的。外で洗う場合は、濡れた毛に直射日光が長時間当たると、皮膚にやけどのような症状を起こすことも。そのため、洗い場には屋根やターフなどを設置し、直射日光が当たるのを避けるのがベターです。

    犬を洗う場合はペットサロンを利用するか、外に洗える場所を確保しましょう。直射日光に注意し、濡れた毛を手早く乾かしてあげることも大切です。

水たまり 古い水には雑菌がいっぱい!ためたままはNG!

外の水飲み場の桶や空の植木鉢、ビニールプールなどにうっかり水をためたままにしていませんか?犬がその水を飲んでしまうと、命をおびやかされることがあるので要注意です。

水飲み場やプールも水抜きを

水たまりの水は寄生虫や細菌などに汚染されている可能性が高く、それを飲んだことが原因で犬がジアルジア症やレプトスピラ症、細菌性腸炎などに感染する危険性があります。
夏場はフィラリア症の原因となる蚊が発生することも多いので、水たまりをつくらないよう配慮を。
水飲み場やプールも使用後は必ず水を抜きましょう。

<水場が好きな犬種>ラブラドールレトリバー、ゴールデンレトリバー、ポインター、セッター、プードルなど

有害植物 身近な木や草花にも犬に有害なものがたくさん!

犬は胸焼けを起こしているときや毛、汚物などを吐き出そうとして草を食べることがあります。しかし、身近にある植物の中には犬にとって有害なものがたくさんあります。
十分に注意しましょう。

安心・安全な庭をつくる

愛犬と安心して楽しめる庭をつくるためには植物の特性を知ることも大切。意外に犬に害を及ぼすものが少なくないので、草花を植えるときは事前に調べましょう。安全な植物でも、除草剤や殺虫剤を散布した場合は犬を近づけないようにしましょう。また、チワワやブルドッグなどの鼻の短い犬種は、草や枝が目に入る危険があるので注意が必要です。

  • アジサイ
    葉・花(つぼみ)
    過呼吸、嘔吐、めまい
  • キョウチクトウ
    全体
    心臓マヒ、嘔吐、
    下痢
  • アサガオ
    葉・花・種子
    嘔吐、下痢、血圧低下
  • ベゴニア
    全体(特に茎)
    皮膚炎、胃腸炎、
    下痢、けいれん
  • ニチニチソウ
    全体
    全身マヒ、嘔吐、
    下痢
  • スイセン
    全体(特に球根)
    嘔吐、下痢、胃腸炎、血圧低下
  • スズラン
    全体
    下痢、腹痛、心不全
  • ジギタリス
    全体
    嘔吐、下痢、けいれん、不整脈
★こんな植物はキケン!
庭によく植えられる身近な植物の中に有害成分を含むものが多く存在します。
ここで紹介しているのは、犬に有害とされる植物のほんの一例。
触れただけで皮膚炎などを引き起こす植物以外は、犬が口にしない限り害があるわけではありません。それでも、見ていないところで食べてしまう可能性もあるので、犬が過ごす場所の近くに植栽を施すのは避けましょう。
また、植栽のまわりに柵を設けるなど、犬がいたずらできないようにするのもおすすめです。
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