ニュースリリース

2008.02.21
三協立山アルミと富山大学が共同開発、三協マテリアルで製造販売
放熱性能30%向上した小型軽量ヒートシンク「オフセットSSタイプ」発売

 三協立山アルミは、従来のヒートシンクと比較して放熱性能を約30%向上(または、フィン高さが最小1/2で約30%軽量化)した新型高性能ヒートシンク「オフセットSSタイプ」を、富山大学大学院理工学研究部(工学)教授・川口清司(専門:流体工学、所在地:富山県富山市五福3190)と共同開発し、今春より三協マテリアル(社長:藤木正和)が製造発売を開始します。


【開発の経緯】
ヒートシンクは、アルミニウムの熱伝導率が高い物性を利用した放熱材で、電子・電気機器や産業用機械などの半導体素子の冷却に使用されています。近年、ますます高性能・高機能化するそれらの装置に対応するため、ヒートシンクも高性能で小型・軽量化が求められています。従来のアルミ押出形材製ヒートシンクは「くし形」が主流で、フィンを高くすることで放熱性を向上させてきましたが、歩留りの低下や押出不確定さなど押出難易度が高くなっていました。
三協立山アルミは富山大学川口教授と平成17年3月から共同研究を開始し(開発当初は三協アルミニウム工業との研究)、フィンを交互に配列した独自のアルミ押出形材製ヒートシンクを初めて開発しました。今回、三協マテリアルが「オフセットSSタイプ」を市場投入することで、お客様の要望に応じて最適な形状のヒートシンクの提案を行うとともに、さらなる販売の拡大を図っていきます。


【特長】放熱性約30%向上、フィン高さ1/2で約30%軽量化
  • アルミ押出形材製ヒートシンクのフィンを等間隔に分離し、一列おきにフィンピッチを1/2ずらす「オフセット」(※特許出願中)加工をすることにより、従来の「くし形」ヒートシンクと比べ放熱性能を約30%向上させました。
  • 従来の「くし形」に比べフィン高さを最小1/2としながら同等の性能を確保しつつ、約30%の軽量化を実現しました。装置の小型・軽量化が図れます。
  • 「オフセットSSタイプ」は、「くし形」がベースなので製造可能範囲が広く、また鍛造品と比較して製作寸法(外形)対応が広範囲なため、お客様の要望に応じて最適な形状を提案可能です。


ヒートシンク「オフセットSSタイプ」



【熱抵抗の比較】
1. 「オフセットSSタイプ」(新型)
W107×L145×H50(フィン高さ36.5mm)
2. 「くし形」ヒートシンク(従来型)
W107×L145×H50(フィン高さ36.5mm)
3. 「くし形」ヒートシンク(従来型)
フィン高さ約2倍  
W100×L145×H83(フィン高さ72mm)の3種を比較実験しました。

同一寸法(面積)で比較した場合、
1.「オフセットSSタイプ」(新型)は、2.「くし形」(従来型)に比べ放熱性能が約30%向上。 また3.「くし形」(従来型)フィン高さ約2倍に比べてフィン高さは約1/2ながらも放熱性能は同等以上、約30%の軽量化を実現(風速2m/s以上の場合)。

熱抵抗値:ヒートシンクの放熱性能を示す一般的指標。数値が小さいほど放熱性能が高い。

(断面A)
(断面B)
※「オフセット」とは
アルミ押出形材製ヒートシンク(断面A)のフィン中心を基準にして、その基準からフィンをずらすこと(断面B)を意味しています。根元で曲げたフィンと、そのままの形状のフィンの列が交互に並んでいます。
フィンの分割・オフセットにより、空気をフィンに衝突する機会を増やすことで放熱性能を向上させます。


【商品仕様】
材料:アルミニウムA6063S-T5(生地材)
表面処理:アルマイト仕様(着色)も対応可能。
加工対応:精密切断・精密切削・穴あけ加工等対応可能。

【製造可能範囲】
幅(W):30〜300mm
長さ(L):50〜1,000mm
高さ(H):40〜70mm

※製造・加工できるサイズ・フィンピッチには制約があります。また、性能についてもサイズによって変わります。

【適用例】
家電/民生機器(高周波インバータ・電源部)、 各種産業機器の制御基盤、 小型電子部品、 自動車・ハイブリッド車関連機器、 モータ制御インバータなど、 強制空冷で省スペースが求められる装置。


【販売目標】初年度20万個を見込む。


ヒートシンク オフセットSSタイプの情報は、三協マテリアルホームページを参照ください
【三協マテリアル ホームページ 技術紹介「ヒートシンク オフセットSSタイプ」】



ニュースリリースに記載されている情報は、発表日現在のものです。

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