ニュースリリース

2016.11.24

三協アルミ「未来のとびらコンテスト2016<大学生版>」
第2回学生デザインコンペ 審査結果発表

 三協立山株式会社・三協アルミ社は、全国の専門学校、短大、大学、大学院にて建築、デザインなどを学ぶ学生を対象に、7月1日(金)から10月2日(日)まで開催した「未来のとびらコンテスト2016<大学生版> 第2回学生デザインコンペ」の審査結果を発表いたします。

 本コンテストは、全国の小学生対象「未来のとびらコンテスト」の大学生版として、昨年より開催している第2回学生デザインコンペです。
 今年度は「ずっといたくなる場所」をテーマに、未来の私達の暮らしが豊かになるそんなライフスタイルやコミュニティに貢献できる作品を募集したところ、全国より92点のご応募をいただきました。
 審昨年に引き続き、審査委員長に建築家の西沢立衛氏をお迎えし、厳正な審査を行った結果、受賞作品8作品(最優秀賞1作品、優秀賞3作品、審査委員賞3作品[西沢立衛賞、大西麻貴賞、百田有希賞、各1作品]、三協アルミ賞1作品)を決定いたしました。

 <最優秀賞>


 

<作品名> Glass Straw Roof

上田 満盛(大阪市立大学大学院)
大坪 良樹(大阪市立大学大学院)

◇評価 <審査委員長/西沢立衛氏>

 最優秀賞となったGlass Straw Roofは、住宅地の只中に忽然と登場する、透明藁葺き屋根の建築である。全応募案の中ではこれがもっとも、出来上がった姿を見てみたいと思わされた案であった。課題テーマにあっているかどうか?という疑問はなくもなかったが、機能的なことの説明をせずに、それが皆のための地域の場であることを暗示する力をもつ建築で、魅力を感じた。ただ、皆でグラスファイバーを葺き替えることで共同体の結束を強めるというところは、無理があると感じた。

<コンセプト>

 茅葺屋根は優れた環境性能が認められているが、なにより周辺住民を募って「葺き替える」という行為に、共同体としての建築の姿があった。茅の代わりに耐火性に優れるガラス繊維を用いれば、都市部の建築はそのような営みを取り戻せるのでないだろうか。優しく照らされた大屋根の下に集う人々と暮らし、時折皆で屋根にのぼりガラスの糸を束ねる。ガラスはもはや強度や透明度によって人との距離を調節する材料ではなく、人々を直接つなぐ材料なのである。ガラス長繊維は優れた複合材料を生み出し、あらゆる製品に使用されている。しかし、その強度の高さから処理が困難であり、不法投棄の要因ともなっていた。現状では、特殊な処理後に埋め立てるのが最良とされている。ガラス長繊維を費用をかけて短期的に処理するのではなく、建築を介して時間をかけて劣化させる。それが適正に処理される時期になれば建築も更新され、それが住民と地域の人々を結ぶ営みとなる。

※他の受賞作品や評価コメントなど受賞作品に関する詳細はこちら
http://alumi.st-grp.co.jp/kenchiku/2016result/index.html

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[概要]
◇未来のとびらコンテスト<大学生版> 第2回学生デザインコンペ
(1)概要     みんながくつろげる空間デザイン、建材提案を募集
(2)募集テーマ  「ずっといたくなる場所」
(3)応募期間  平成28年7月1日(金)〜平成28年10月2日(日)

(4)応募対象  全国の専門学校、短大、大学、大学院において建築、デザインなどを学ぶ学生で、
         現在在学中の個人またはグループ(3名まで)
(5)受賞特典   <最優秀賞>  1点・・・副賞30万円
         <優秀賞>   3点・・・副賞15万円 
         <審査員賞>  3点・・・副賞15万円(西沢立衛賞、大西麻貴賞、百田有希賞)
         <三協アルミ賞>1点・・・副賞15万円
(6)審査委員(敬称略)
    審査委員長 西沢 立衛 (建築家・横浜国立大学大学院建築都市スクールY-GSA教授)
    審査委員  大西 麻貴 (建築家・一級建築士事務所 大西麻貴+百田有希/o+h)
          百田 有希 (建築家・一級建築士事務所 大西麻貴+百田有希/o+h)
          三協アルミ役員1名

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[審査総評]
◇総評 <審査委員長/西沢立衛氏>
 昨年にひきつづき、ずっといたくなる居場所を考えるという課題で、しかし昨年と違うのは、昨年は「住宅」または「図書館」という、具体的な機能が要求されていたが、今年は、具体的な機能のしばりはなく、住宅であっても街であっても、集会所であってもなんでもよくて、自由に人の居場所を考えてほしい、というものだった。具体的な機能の制約がないことがどういう結果になるか、より自由な提案が多くあつまるのか、または何でもありはかえって提案しづらいと感じる応募者もいるのだろうか、などといろいろ考えたりしたが、いざ蓋を開けてみると、どの案ものびのびとしていて、等身大の提案で、それを見て安心したし、応募者たちの実力の高さをも感じた。また内容的にも去年よりもレベルがあがっていたのも、頼もしく感じた。ずっといたくなる場所、居心地のよい場所ということは、ある意味で建築のもっとも初源的な条件であるとも言える。そういう意味でも、よい課題だったし、それをしっかり受け止めた提案が多く出たことは素晴らしいと思った。

ニュースリリースに記載されている情報は、発表日現在のものです。

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