ニュースリリース

2008.02.05
AZ80マグネシウム合金押出し管材
キヤノン放送用カメラレンズ鏡筒部品に採用、国内初の量産

 三協立山アルミ(社長:川村人志)の開発した加工技術によるマグネシウム合金押出し管材が、キヤノン株式会社(社長:内田恒二)様の放送用カメラレンズ鏡筒部品に採用され、量産を開始しました。
採用されたのは、押出し用マグネシウム合金として最も強度の高いAZ80押出し管材3種(外径‐内径:103mm- 60mm、90mm‐60mm、60mm‐25mm)で、管材としての成形・生産が困難とされていた材料の加工を実現させた国内で初めての量産品となり、三協マテリアル(社長:藤木正和)が販売します。

 この量産加工は、三協立山アルミのマグネシウム押出し技術、金型製造技術および熱処理技術が可能にしたもので、平成19年11月に特許出願しております。
 AZ80は押出し用マグネシウム合金としては最も強度が高く、構造材用途として棒材が使用されておりますが、これまで押出し加工が難しく、管材成形は困難とされていました。
 三協立山アルミは、押出し薄板、各種形材等の生産を通して蓄積した技術により、AZ80の管材成形・量産加工を可能にしました。

 このAZ80マグネシウム合金押出し管材の生産を可能にしたことにより、ダイカスト品の課題であった内部欠陥の解消(空気や異物の巻き込みがなく内部品質が安定)、寸法精度向上(真円度が良い=円形部分の真円からの狂いが小さい)、更なる高強度化(AZ91 Mg合金ダイカスト管材との比較:約1.4倍)を実現させました。

 AZ80の優れた機械的性質を管材で生かすために、押出し棒材からの切削品代替や鍛造用の素材として、今後、カメラ部品だけでなく幅広い展開が見込まれます。

【AZ80マグネシウム合金押出し管材】

奥 :外径 60mm‐内径 25mm
手前左:外径 103mm‐内径 60mm
手前右:外径 90mm‐内径 60mm
【HDTV放送カメラ用ズームレンズ】
≪HJ17e×7.6B≫


【AZ80マグネシウム合金】
アルミ7.8〜9.2%、亜鉛0.2〜0.8%含有。
AZ80マグネシウム合金は、押出し用合金としては最高強度を持つが、変形抵抗(材料を押出しするために変形させようとする力に抵抗するする力)が大きい。
こうした変形抵抗の大きい材料の管材を製造するには材料温度や加工温度を上げることで抵抗力を低くする方法が最良とされるが、マグネシウム合金は、押出し加工時の温度によって表面割れが発生しやすく、特にアルミニウム含有量の多いAZ80は表面割れが顕著に発生するため、材料温度や加工温度を上げることが出来ず、管材の生産は不可能とされていた。


【AZ80マグネシウム合金押出し管材の機械的性質】

・AZ80マグネシウム合金押出し管材の機械的性質は、AZ91マグネシウム合金ダイカスト管材と比較し約1.4倍の高強度を有します。
・AZ80は押出し性が非常に悪く管材成形は困難との理由で【JIS H 4202:マグネシウム合金継目無管】には制定されておりませんでした。


マグネシウム関連の情報は、三協マテリアルホームページを参照ください
【三協マテリアル ホームページ 技術紹介「マグネシウム」】
http://material.st-grp.co.jp/t_03.html



ニュースリリースに記載されている情報は、発表日現在のものです。

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