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洗濯マニア

「洗濯から、セカイを変える!」
洗濯への並々ならぬ
愛と信念が詰まったアトリエ。

クリーニング会社「芳洗舎」を営むかたわら「洗濯から、セカイを変える」を信念に洗濯に関するお悩みを解決する「洗濯家」として活躍する中村祐一さん。洗濯を中心とした家「センタクアトリエ」を建設するほど洗濯に並々ならぬ情熱を持っています。今回は、そんな中村さんが設計段階から関わったという「洗濯アトリエ」の秘密や、洗濯に対する想いについて迫ります。

“洗濯中心の家を建てました。”

  • ご自宅に洗濯アトリエがあるとのことですが、
    今いる場所がそうですか?

    中村:はい。自宅の中に作りました。ガレージで車をいじるお父さんとか、壁一面に本棚がある人とかいるじゃないですか?それの洗濯バーションみたいな感じで家を建てたんです。

  • なぜアトリエを作ろうと思ったんですか?

    中村:一般的に洗濯スペースって家の中でも端の暗いところに追いやられている感じがありますよね。僕はそれが嫌で。だから一番良い位置に洗濯スペースを作ろうと思ったんです。

  • もしかして建築段階から関わられたのですか?

    中村:はい。洗濯中心の家というか、洗濯がいかにやりやすいかということを考えて作りましたね。例えば明るいとか、風通しが良いとか。あとは、作業台があって、仕分けや下処理などがしやすいとか…。

  • ほんとうに洗濯ありきのレイアウトですね。

    中村:仕事場兼洗濯室なので、もうほぼ一日ここにいるような感じです(笑)

  • 一日の中で、どのくらいの時間を洗濯にかけられているんですか?

    中村:一日の洗濯の時間はそんなに多くないと思いますよ。洗うのに一時間、アイロンに一時間で、二時間弱くらいかな。でも、この間は一日中洗っていることもありました。一日のルーティンとしての洗濯と、すごく時間と意識を向けて洗う洗濯があるんです。僕はこれを「スローランドリー」って呼んでいるんですけど。

  • スローランドリー?

    中村:一点ずつ丁寧に時間をかけて洗う感じですかね。シャツを真っ白にするために、襟汚れの前処理をしっかりするとか、シャツの素材に合わせた洗剤を入れて、最後にアイロンまでかけるといった個別対応をするんです。一方、普段の洗濯は「ファストランドリー」とまではいかないですけど、一生懸命洗うというよりは日常の一部となっている感じですかね。

  • 洗濯アトリエは、まさに夢のような場所だと思うんですが、
    特にこだわった場所はありますか?

    中村:壁に引き出しが付いているんですけど、壁の向こうが脱衣所になっていて、脱いだ衣服がそのままこちらでピックアップできるんです。見た目や使い勝手の良さとかもすごく考えたので、こだわりポイントの一つかな。

  • 普通の家にはなかなかない構造ですね。

    中村:はい。洗濯って洗う以外にも前後の工程が結構あるんですね。そこがバラバラだと大変になってしまうので、脱いで、洗って、干して、アイロンして、畳んで、しまうという6つの工程が全部つながる配置にしました。

  • 部屋の中央にあるキッチンのようなものは?

    中村:これは作業台です。キッチンにもアイランドキッチンとかあると思うんですけど、そういうのを洗濯でも欲しいなと思って作りました。システムランドリーというかアイランド洗濯みたいな感じですね。シンクやしみ抜き台を置いたり、3つ収納棚があって、洗剤とかを入れています。

“洗濯にもレシピがあるんです。”

  • 洗濯用品って、頻繫に買うんですか?

    中村:今はそんなに多くはないですけど、洗濯にハマりだしてからは気になるものがあればすぐ買っていましたね。今はパッケージしか変わってないじゃないか、と思うこともあって絶望しているんですけど(笑)。でも当初はカゴ一杯に柔軟剤を買ってくるみたいなこともよくありました。

  • (笑)。洗剤は何種類くらいあるんですか?

    中村:頻繫に使うものは洗濯機の上の棚に置いていて、1、2、3、4、5……21種類あります。それ以外にもあるんで、全部で40~50種類くらいですかね。

  • 40~50種類!?かなり多いですね!

    中村:洗剤の成分をそれぞれボトルに入れているんです。市販の洗剤って、料理でいうと鍋の素、カレーの素のようなものなんですけど、自分はその中の成分を別に持っているみたいな。例えば酵素だけとか、漂白剤だけとか、界面活性剤だけとか。汚れや素材に応じて、この成分を大さじ1杯入れるといったことをしています。

  • 調合していくイメージですか?

    中村:料理にレシピがあるように洗濯にもレシピがあって、そこに工夫の余地が出てくるんです。どうやって汚れを落とすかもそうですし、仕上げも柔軟剤と糊(のり)、どちらを使うかで変わってきます。パリっと仕上げたかったら糊(のり)を使いますし。最後の味付けみたいなものですね。

  • 洗濯の捉え方が人とは違う感じがしますね。

    中村:自分好みの味にできるというか、洗濯も自分の味を作れると考えています。

  • 追求していく楽しさがあると思うんですが、
    正直飽きたりしませんか?

    中村:「あ、洗濯面倒くさいな」って思うことはありますよ、たまに。

  • あるんですね(笑)そんなときってどうしてるんですか?

    中村:でも、洗っちゃえば意外と面倒くさくなくなったりするんですよ。ここまで飽きずにやり続けているので、最終的には好きなのかな、って思いますね。

“洗濯からセカイを変えたい。”

  • 洗濯好きのお仲間みたいな方はいるんですか?

    中村:クリーニングの仕事をしているプロ同士で、話が合う人とはやり取りすることもあるんですけど、一般の人はいないですね。洗濯マニアっていないんですよ。例えば、クリーニングに衣類を出しまくるマニアもいないですし、クリーニング店のレビューをする人もいない。

  • 確かに。

    中村:プロの仕事と家事の間にグラデーションが全然ない。だから、そういう人が増えてきたらいいなと思っています。

  • それが洗濯を伝えようと思ったきっかけでもあるんでしょうか。

    中村:そうです。クリーニング屋として働くだけじゃなく、その技術や知恵を家庭に入れたほうが良いんじゃないかって思ったんです。洗剤の選び方一つとっても、どれが良いかわかりにくいと思うんですよね。でも、それに答えてくれる人や場所がない。だから洗濯を伝えることを始めたんです。

  • 洗濯に関する悩みは、みんなありますものね。

    中村:そうなんですよ。たとえば料理なんかだと教えてくれる人、教わる場所がいっぱいあるのに、洗濯はそれをしている人がいなかったんですよね。洗濯というものへの認識、捉え方にすごい差があって、洗濯というものが世の中に伝わっていないな、って感じたんです。

  • 洗濯を通して、どんなことを伝えていきたいですか?

    中村:最近だと、SDGsやサステナブルって、よく言われるじゃないですか。となると、洗濯ほどこれに当てはまることはないでしょ?って思っていて。

  • 洗濯って、洗って再利用することですものね。

    中村:ええ。結局衣類を長く使うことが環境に良く、負荷を減らすことにつながると思うんですよね。今まで洗濯に目を向けていた人って少なかったと思うんです。でも、僕は洗濯に可能性を感じているので、そこを伝えていくことで、洗濯がもっと求められる時代がくるんじゃないかと思っています。

  • 洗濯への愛の深さを感じます。

    中村:よく「好きなことして生きていく」とか言いますけど、僕はすごく幸せだな、と。好きなことをして、好きな場所にずっといられる。しかもそれが仕事にもなっているので、好きを突き詰めて良かったなと思いますね。

  • 洗濯に出会って中村さんの人生は豊かになったんですね。

    中村:僕はよく「洗濯からセカイを変える」って言うんですけど、洗濯から暮らしが良くなるというか、世の中もより良く変わっていくんじゃないかと本気で思っているんです。意識して洗濯との向き合い方を変えてくれる人が増えるとすごくうれしいですね。僕は洗濯しかしないですけど(笑)。

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僕は、洗濯物は必ず部屋干ししています。太陽の光に当てないと乾かないと思っている人がいますがそれは間違いで、大事なのは温度や湿度を最適にして、風の通りを良くすること。衣類全体が空気に触れやすくなるよう表面積を広げて干すのがポイントです。扇風機で風を当てるのもいいでしょう。僕が監修した三協アルミの「晴れもようwith」なら、天気や時間を気にせず、理想の物干し空間を実現できるので、ぜひチェックしてみてください。

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