WASHING CLOTHES IS WASHING YOUR MIND

洗濯マニア

「洗濯から世の中が見えてくる」。
その目に映る"洗濯の向こう側"

クリーニング会社「芳洗舎」を営むかたわら「洗濯から、セカイを変える」を信念に、洗濯に関するお悩みを解決する「洗濯家」として活躍する中村祐一さん。洗濯を中心とした家「センタクアトリエ」を建設するほど洗濯に並々ならぬ情熱を持っています。今回はそんな中村さんが洗濯を好きになったきっかけや、洗濯のテクニック、自慢のアトリエの秘密などを紹介していきます。

“365日、「食う・寝る・洗濯」です。”

  • 洗濯を好きになられたのはいつごろですか?

    中村:実は子どもの頃はまるで興味がなくて、興味を持ち始めたのは大人になってから。高校卒業後に家業を継ぐことを決め、東京のクリーニング店で働き始めるようになってからなんです。

  • 意外ですね。

    中村:はい。でも小・中・高は野球に夢中で…。大学に行かずに継ぐと決めたときも親からは「継いでもいいことないよ」と言われたほどで、洗濯に対する英才教育みたいなものはされたことがなかったんです。

  • それでも今ではすっかり洗濯マニアですね。

    中村:自分でもまさかこうなるとは…。もちろん、子どもの頃に石けんとブラシを渡されてユニフォームは自分で洗っていたので、影響は大きかったと思います。

  • ちなみにご家庭でも洗濯されているんですか?

    中村:ええ、僕が洗濯担当です。休みの日なんかは一日洗濯していることもあります。「パパ、洗濯しかしないじゃん」って子どもに言われるぐらい。

  • 毎日欠かさず洗濯されるんですか?

    中村:もちろん。「食う・寝る・洗濯」です。

  • 完全に日常の一部なんですね。

    中村:僕は、夜に洗濯機を回して、干しておいて、朝イチにアイロンを掛けることからスタートします。もう、洗う方はお風呂に入るのと同じイメージで、完全にルーティンですね。朝ヨガする人っているじゃないですか?それと同じように洗濯物を取り入れながらアイロンを掛けることで精神が整って、そこから僕の一日が始まります。

  • 家の洗濯は、全部お家で済ますんですね。

    中村:ええ。大抵のものは家で洗います。先日、休みの日に気合いを入れて布団を洗ったんですが、乾かすのに3日かかってしまい、その間布団で寝れない、なんてこともありました。

“洗濯ってクリエーティブな
作業なんです。”

  • それほどまでに魅了される洗濯の良さってなんですか?

    中村:洗濯って一般的に洗濯機に衣類を入れて終わりと思われがちなんですけど、汚れを落とすために試行錯誤していく工程ってすごいクリエーティブな作業なんですよ。洗剤の選び方とか、事前に手洗いしておくとか、どの方法がベストかを探るのは洗濯の面白みといえますね。

  • その中で絶対汚れが落ちる洗い方みたいなのってありますか?

    中村:よくそういう質問受けるんですけど、僕は「とりあえず服に聞いてみて」と答えています。

  • 服に聞く?

    中村:例えば、靴下を裏返して洗えばいいのか、そのまま洗えばいいのかという質問があったんですが、それは靴下に聞けばいいんです。裏の状態と表の状態で片方ずつ一緒に洗って試すんです。その結果の中に答えがあるというか。服に聞く、というのはそういうことです。

  • 汚れを落とす方法は、服が教えてくれるんですね。

    中村:その通りです。今ではなんでもネットで調べればでてきますが、この方法が一番だと思っています。正しいことは「服に教えてもらう」というか「汚れに教えてもらう」みたいな意識でやっていますね。情報や理論だけでなく、必ず目の前の服がどうなっているか?をよく観ることを大事にしています。

“人生で大切なことは
洗濯が教えてくれる。”

  • 他に洗濯から学んだことはありますか?

    中村:そうですね。最近、洗濯というものの中には他と共通することが多いというか、普遍的で大事なものが詰まっている気がしています。

  • どういうことですか?

    中村:例えば、衣類だと弱い素材をどう守って洗うかを考えて洗濯を組み立てるんですね。綿・シルク・ポリエステルが混合した服だと、まずはシルクが傷まないようにする。

  • 衣類の特性を考慮してあげるわけですね。

    中村:そうです。それぞれ性格を理解して、それに合わせる。例えば、綿に対して「お前シワついちゃダメだ」って怒ったりしないじゃないですか(笑)そういう意味で洗濯は人付き合いと一緒だなと考えたりしています。

  • そのことを洗濯から学ばれた、と。

    中村:はい。でも今って例えるならシルクが傷むと傷んだシルクが悪い、みたいな考え方が多くて殺伐としているような気がします。もっと個人の性格、特性を尊重して、対応できる社会になればいいのにな、みたいなことも洗濯をしていて思いますね。

  • 確かにそういう意味で洗濯と人生は共通していますね。

    中村:はい。洗濯の考え方と、それ以外のこととの共通点を発見するのも楽しい瞬間だったりします。洗濯だけでなく日常生活も豊かになった気がしますね。

  • ところで中村さんってやっぱり理系なんですか?

    中村:いや、実は理系は苦手で数学とかも嫌いでした。

  • そうなんですか?ちょっと意外です。

    中村:僕、物事を整えるのが好きなんですよ。だからテトリスなんかも大好き。いろいろなものを計算しながら組み合わせて最後に一気に消して元通りにできると気持ちがいいんですよね。洗濯って「衣類を本来の状態に戻す」という行為なので、そういう性格だから洗濯のことが好きなんですよね。

  • 洗濯をそんなふうに考えてみたこともなかったです。

    中村:僕も洗濯からいろいろなことを学びました。でもいまだに極めたなんてことはなくて、追求し続けている感じですね。どうすれば汚れが落ちるのか研究する楽しさが洗濯にはあります。そういう意味では生活に欠かせない行為であると同時に、男女問わず夢中になれる趣味だと思っています。

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僕は家庭でも洗濯物担当です。洗う・干す・アイロン・畳む、という工程からなる洗濯を中心にした家づくりをしたいと自宅に「センタクアトリエ」を作ったほどで、一日中そこにいることも。そんな私の理想がつまった商品として「晴れもようwith」の開発にも携わりました。他にも洗濯ライフを快適にしてくれる商品が三協アルミさんにはたくさんあるので、ぜひチェックしてみてください。

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