三協アルミのエクステリア商品の開発に携わっている百瀬一郎さん。プライベートでは、アウトドアアクティビティに熱中しており、自宅の「趣味の部屋」には、スラックラインやボルダリングなどに使う道具がたくさん置かれています。今回は、そんな百瀬さんの魅力的な部屋や、アウトドアアクティビティに夢中なわけ、さらには近い将来に引っ越しを予定しているという古民家のリノベーションなどについて紹介します。
“ヒリヒリした感じが好きなのかもしれません。”
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早速ですが、棚に色々な物が飾ってありますね。
百瀬:この辺にあるガチャガチャした金属のものは、クライミングとかスラックライン(※)で使う道具がほとんどです。専用道具が多くて、自分で見やすいように飾っていますね。
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スラックラインっていつ頃から始められたんですか?
百瀬:2009年の秋頃だったと思います。
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スラックラインってその頃はまだ、珍しかったのでは?
百瀬:そうですね。スラックラインが日本に入ってきたのが2008年~2009年くらいで、やっている人は周りに全然いなくて…。なんならこのあたりの地域では、自分が最初にやり始めたくらいの早さかもしれません。
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なぜスラックラインだったんですか?
百瀬:もともとはクライミングがしたくて。ネットで調べていたらクライマーのトレーニングとか遊びでスラックラインがあるという情報をたまたま知ったんですよ。クライミングよりも簡単に公園などでもできるので、まずはそっちに手を出してみたらドハマりしてしまいました(笑)。
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(笑)。
百瀬:いつの間にか道具も増え、仲間も増えて、楽しむ場所も近所から全国に広がり、海や川の上でのウォーターラインや、山の上で命綱をつけてのハイラインなどにも挑戦するようになりました。
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ハイラインというと、
高いところでやるやつですよね?怖くないですか?百瀬:正直、最初は余裕がなかったですね。でも、何度か乗っていると恐怖心とか緊張がマヒして。ようやくそこで、初めて景色を見て「うお、すごい!」って思えるんですよね。
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特に記憶に残っていることはありますか?
百瀬:山口県の山で、下は何百メートルも抜けている崖の上で歩いたときは、一番すごいロケーションだなと思いました。あとは、音楽フェスの観客がいる上でハイラインパフォーマンスをやったことがあって。それは山以上に緊張して、心臓バクバクでした。
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人の上を!すごいですね。
百瀬:もう見渡す限り人、人、人です。結構高いところなんですけど、横ではバンドがライブの準備をしていて、かたやそれを待っている人たちの上を自分が渡る、という。日本中にスラックライナーはたくさんいるんですけど、あれだけの人数の上で渡った人はそんなにいないと思います。
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かなり貴重な体験だったんですね。
百瀬:しかも絶対に落ちるなって言われて。余計にプレッシャーがかかって、今までで一番緊張しましたね。
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怖いことも多いと思いますが、
やめられない魅力って何でしょうか?百瀬:やっぱり怖さを含めて、全部好きなんでしょうね。命の危険と隣り合わせの状況だからこそ日常では感じられない刺激みたいなものがやっぱりあるので。そういうヒリヒリした感じが好きなんですね。
“道具を見てニヤニヤしています。”
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そんな道具たちを飾っているのがこの趣味の部屋ですね。
百瀬:はい。六畳くらいの空間の壁一面を使って収納しています。
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本なども置かれているんですね。
百瀬:そうですね。スラックラインはずっと独学でやっていたんですが、ハイラインは設置に登山やレスキューの道具、安全に対する知識がかなり必要になってくるので。最初はその世界で豊富な経験と知識を持った信頼できる方の元で勉強させてもらいながら少しずつ自分でも設置できるようになりました。ハイラインに関しては、単にスラックラインができるというだけではできないジャンルなんですよ。必要な道具はアンカーやラインにテンションをかけるためのロープや滑車類、あとは命綱。ライン上で移動に使うローラー付きのカラビナなどがあります。
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そろえるのに苦労したのでは?
百瀬:長いラインを張るとなると、専用の道具が必要でそれをそろえるのがすごく大変でした。最初はやっぱり道具が日本にないので、海外から個人輸入していました。今でこそ国内でも買えるようになりましたが、当時はどこにも売っていなかったんです。
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結構お金かかりました?
百瀬:ピンキリですかね。固定金具のカラビナなんかは安いもので1つ千円程度ですが、滑車などの高いものは1つ2万円以上するものもあって…。ここにあるだけでたぶん30万円以上かかっているんじゃないかな。いつのまにかですけどね。ちょっとずつ買って、気が付いたらすごい金額になっていたなって。
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一番のお気に入りは?
百瀬:リギングリングが結構好きですね。本来はレスキューなどに使う道具で、スラックラインを設置する起点にもなるものなんですけど。このリングがなんとなくシンプルでかっこよくてひかれるんですよね。
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機能美みたいなことですか?
百瀬:そうですね。ロープを通す複雑な機械もあるんですけど、それはあんまり好きじゃないんです(笑)。シンプルに機能を満たすものが好きですね。
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最近購入したものは?
百瀬:最近だと、クライミングシューズを買い足しました。岩を登るためだけの靴です。先が尖っているのと、靴底が硬いゴムソールなんですよ。これもいろんな岩の質とか種類に合わせて履き替えたりしています。
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何足もあるんですね。
百瀬:クライミングシューズは全部で6足あります。ここに3足と、車に常に積んでいるのが3足。いつの間にか増えていっちゃうんですよね。
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外に出られていないときは、手入れとかもされるんですか?
百瀬:外に出ないときは、ただ道具たちを眺めているときもあります。これ見ながらお酒を呑んだり(笑)。
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マニアックですね。
百瀬:道具それぞれのデザインの良さに対して、カッコイイな~とか思いながら(笑)。
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すごくキレイですが、並べ方にもこだわりがあるんですか?
百瀬:キレイにまとまるように意識しています。機能ごとにある程度分けて、形も見た目もキレイにして、見てニヤニヤできるようにしていますね。あと、たまに模様替えしたりしています。レイアウトを変えるのは結構好きですね。
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この棚はご自分で?
百瀬:賃貸なので壁に穴を開けない範囲で棚を作っています。突っ張り棒を使ったりして。
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DIYもお好きなんですか?
百瀬:はい。ちなみに今は古民家を自分で買ってセルフリノベーションをしています。
“家は拠点というか、基地みたいな存在です。”
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古民家のどこに魅力を感じたんですか?
百瀬:古民家でなくてもよかったんですけど、やっぱり山とか自然により近いところで、自分のやりたいことを、もう少し気軽にできるところに身を置きたいというのは昔からありましたし、小さい頃からの目標だったので。そんなときにちょうどいい物件があったので、買いました。
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外に出られることも多い百瀬さんにとって、
家というのはどういう存在なんでしょう?百瀬:拠点ですかね。何かをするための基地みたいな。
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ホッとできる場所、みたいなイメージですか?
百瀬:そうですね。家ではしっかり安眠したいので。例えば、キャンプも好きなんですけど、テントで寝るよりは家の布団でしっかり寝たいという気持ちが強いですね。自分の落ち着ける場所を、できるだけ自分で手をかけて、快適に過ごせるようなモノを作りたいっていう。拠点でしっかり休みたいというのはあります。基地的な感じで。自分の趣味の空間も眺めているのも好きだし。
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ひょっとして、子どもの頃に秘密基地も作られてました?
百瀬:してましたね(笑)多摩川や学校の近くで。
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その延長として、
自宅を好きなように作り替えていらっしゃるのかも。百瀬:そうかもしれません。もちろんプロに頼んだら、明らかに自分よりキレイにできるとは思います。ただモノを作るのは好きですし、大学も建築系を出ているので。自分の持てる知識と技術でどれだけ自分の好きな空間を作れるかの挑戦ですね。
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古民家に住んだら何をしたいですか?
百瀬:動物が好きなので、まず犬猫は飼いたいし、魚も。余裕が出てきたらニワトリも育てて、卵などをいただきながら自給率を上げていきたいですね。
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自然と触れ合うというか、
大地の魅力を感じたい、みたいな感じですか?百瀬:というよりも、単純に自然の中に身を置いているのが好きですね。できるだけ買い物に行かなくても、とりあえず生活していけるところを目指していければと思っています。
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めったに街には出ない「山の人」みたいになっちゃいますね。
百瀬:極端な話ですが、そうなれればいいなとは思ってますね(笑)。
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古民家のセルフリノベーションでは、料理が好きなのでキッチン周りに力を入れています。自給自足を目指しているので、もともとあったレトロなセパレートキッチンの天板だけを再利用して、大きな作業台も置く予定。壁のタイルも自分で貼っています。おすすめといえば、三協アルミにはリフォーム商品が多くあります。私が開発を担当した事もある「α-Pro/アルファプロ」では、部材を組み合わせて、フェンスや棚を作ったり、エントランスを飾ったりもできます。自分の好きな空間作りに役立ててみてはいかがでしょうか?