日本で唯一のインスタントラーメン専門店を経営する「株式会社やかん亭」の代表・大和イチロウさん。学生時代に即席麺の魅力に目覚めてから今もなお毎日インスタント麺を食べているとのこと。即席麺への探究心は国内にとどまらず、海外の製品にもおよび、今まで食べた種類は7500種を超えるほど!今回はそんな大和さんの即席麺愛あふれる日々の暮らしや、おいしい即席麺の作り方などを紹介します。
“過去に食べた麺を食べることで、
なくした記憶がつながったんです。”
-
即席麺が好きになったきっかけは?
大和:実は18歳のときに交通事故を起こしまして。結構重傷で、目が覚めると自分の記憶もなかったくらいだったんですよ。
-
ということは記憶喪失に?
大和:この話をするとよく驚かれます。これは後から看護師さんから聞いた話なんですが、何も覚えていないのに、売店で毎日のように手に取っていたのが即席麺だったそうです。それを見た担当の医師が「食べさせたら何かあるかもしれない」と思い、食べさせてくれたんです。
-
実際に記憶は戻ったんですか?
大和:とても喜んで即席麺を食べていたようなんですが、退院してしばらくの間、記憶は戻らなかったんです。あるときいつものように即席麺を食べていたら、小学生のころ市民プールで即席麺を食べていた記憶が一気によみがえってきて。ラーメンの味が自分の失った記憶を結びつけてくれたんです。それがきっかけで毎日食べるようになりました。
-
驚きのエピソードですね。
大和:ええ。そこから大学に入り一人暮らしを始めてからも即席麺生活は続きました。さらに当時ツーリングが好きだったのもあって、自分の知らない土地のスーパーでご当地麺を集める魅力にもハマっていきまして。それでご当地ラーメンを集めるようになりました。
“一日五麺くらい
食べているかもしれません。”
-
今でも毎日即席麺を食べているんですか?
大和:もちろん。一日一麺じゃ足りないかも…。朝・昼・晩に加えて間食を2回。もちろんそれとは別に普通の食事も摂っていますが。このルーティンは大学から変わってないですね。
-
失礼ですが、太ったりとかしないんですか?
大和:体重は学生時代から変わっていないんです。即席麺って意外とカロリー低いんですよ。例えばノンフライの麺だと、スープまで飲んでも350キロカロリーほどで、スープを残したら200キロカロリーほどなので、おにぎり一個分くらいしかカロリーがないんです。
-
意外と低いんですね。
大和:そうなんですよ。間食でポテトチップスを袋の半分食べるのなら、即席麺一個の方が満足感が高いですからね。今は大手メーカーが300キロカロリー台の商品も多く出していますし、糖質オフや塩分カットもあるので、もう今は全然カロリーは気にしなくて大丈夫ですね。
-
毎日食べていて飽きないんですか?
大和:それが飽きないんですよ。即席麺って何をやってもいい世界で。例えば、ご当地麺なら地域の味噌やしょうゆといった食材を使っているので、一つひとつが別モノなんです。製法が異なれば、味も全然違うので。
-
作るときアレンジもされるんですか?
大和:しますね。トッピングを工夫したり、汁ありのものを汁なしにしてみたりなど、いろいろな調理法を試しています。最近は、海外のレシピを参考にしています。ラーメンを割って上からチーズをかけてホワイトソースのグラタン風にしたこともありましたね。
“科学的に証明された、
本当においしい即席麺の作り方。”
-
長年食べられてきた中で譲れないこだわりはありますか?
大和:これは絶対にやってほしいんですけれど、作り方に関しては袋の裏側を必ず読んでいただきたいんです。というのも、実は裏側にはメーカーが推奨する食べ方がかなり細かく書いてあるんですよ。
-
正直、ほとんどの方が詳しく読んでないと思います。
大和:そうなんですよね。メーカーも読まなくてもおいしく食べられるようには作っています。でも読むともっとおいしくなる。実は麺によって吸水率が異なるので、商品によってゆで時間が違いますし、それ以外にも、例えば「お湯を沸騰させ…」と書いている場合は、水からではなく沸騰したお湯を使う方がおいしく仕上がる。たった一行のキーワードだったりするんですけど、それがめちゃくちゃ重要だったりするんです。
-
読まないまま作っていました…
大和:ちゃんと作るとしっかりおいしいんですよ。あと麺をほぐすタイミングも結構重要で。このタイミングがどうしても知りたくてテレビに出たときに実験をしたんです。その結果、どの麺もゆで時間の3分の2のタイミングではしを入れるとうま味が増す、つまりめちゃくちゃおいしくなるということが証明されたんです。また合わせる飲み物はお茶やジュースではなく、水が一番。ラーメンの味が感じられておすすめです。
-
そこまで大和さんを惹きつける即席麺の魅力はどこにあると思いますか?
大和:「食べたいときにすぐ食べられる」ということに尽きますね。食事は食べたいと思ったときが一番おいしく感じるもの。即席麺なら思い立ったら3分あれば誰でも簡単に作れます。さらにラーメンはスープひとつとっても豚骨系、海鮮系、カレースープなど味の幅が広い。トッピングや調理法でアレンジもできるので、毎日食べても飽きません。とにかくおいしく食べるのが一番なので、皆さんもさまざまなアレンジや調理法に挑戦してほしいですね。
即席麺マニアのおすすめ商品
気候のいい季節だと外に出てラーメンを食べる「外ラー」がおすすめです。最近では100円均一ショップに行けばキャンプグッズが充実しているので、鍋代わりに取っ手のついたアルミ製の飯盒と固形燃料にライター、鍋を置く五徳、お箸があれば準備万全です。手軽に始められるので、ぜひお庭などでも即席麺を楽しんでみてはいかがでしょうか?