門まわり&庭のリフォーム

安全・快適なドッグガーデンのヒント

「犬と人が快適に過ごせる共同空間を」と、全国に先駆けドッグガーデンを
提案してきた姶良邦一さんに、理想の“犬庭”づくりを教わります。

ペットが喜ぶ庭づくり

ワンちゃんにもやさしい「安心デッキ」にリフォーム

  • Hint 1
  • Hint 2
  • Hint 3
  • Hint 4
  • Hint 5
  • Hint 6

1 日陰になり、雨をよける[屋根]をつくる

犬はお庭という自然の中で、五感を刺激され、その体験を通して知恵や感情がはぐくまれていきます。愛犬と飼い主が心身ともに健康に過ごせる場が「ドッグガーデン」なのです。愛犬にとって快適な庭とは、その敷地の自然環境が最大限に活かされ、ストレスを感じさせない空間。強い日射し、冷たい雨、じめじめした水たまりなどはストレスになるので、日陰をつくり、雨をよけられる屋根をつけましょう。パーゴラ付きのデッキや、シェード、テラス屋根、ガーデンルームなどさまざまな方法があります。木を1本植えるだけでも心地よい木陰をつくってくれます。

2 犬と人が[一緒に遊べる]スペースを

住宅事情もあり、愛犬が思いっきり走れる専用のドッグガーデンはなかなかつくれませんね。それなら犬と家族が一緒に遊べて楽しく使えるお庭を考えてみてはいかがでしょうか。

たとえば屋根付きデッキ+犬の足にやさしい敷砂利の庭。犬は元気に走りまわり、人はデッキでだんらんや食事を楽しめます。ローメンテナンスなのも魅力。お部屋との間に水栓を設ければ、水やりやバーベキューに役立つだけでなく、犬の足洗いにも重宝。大好きな家族といつも一緒に過ごせることは、犬にも人にも癒しになり、心の健康になるのです。

庭先にガーデンルームをつくり、庭を行き来する3匹の愛犬といつも一緒に過ごすO様ご夫妻。ベンチで一緒にお昼寝することも。

3 身近にひそむ危険!「有害植物」にご注意

昔からお庭でよく見かける植物、普通に育てている植物でも、意外に毒を持っているものが少なくありません。ここで紹介する植物はその中のほんの一例。どれも有害成分が含まれていますが、少々口にする程度なら大丈夫なものも多く、すべて処分する必要はありません。たとえば犬の触れない場所に移植するなど、知識を持っていれば対策もとれます。有害植物は他にもいろいろありますので、ぜひ一度ご自宅の植物を調べてみてください。

×印の植物はとくに注意。青文字は毒性部位です。

4 丈夫で安全「足を守る」床材選び

犬の肉球はとても敏感。床の表面温度の熱さ・冷たさがストレスになりますし、硬い床や滑る床は足腰を傷める原因にもなります。犬の足(肉球)にやさしく、踏みあらしにも丈夫な床材としてお勧めなのがムク材、芝生、剪定枝のチップ、ゴムチップ、溶岩石の砂利など。とくに溶岩石は多孔質のため熱がこもらず、角がなくて踏み心地もソフトです。床材は犬の健康や安全を考えて、最適なものを選んでください。

デッキの先に軽井沢の溶岩石を敷きつめたF様邸。ステップを低くしたので愛犬がラクに行き来できます。
「暑い日は砂利にお腹をつけて気持ちよさそう。オシッコが匂わないのもありがたいですね」

5 外への「飛び出し」を防ぐ工夫

犬を放していても、敷地の外や道路へ飛び出さない工夫が必要です。周囲をフェンスなどでしっかり囲い、フェンスの下や隅などもすき間をつくらないように、すみずみまで細かくチェックしましょう。動物は毛がふさふさして実際より大きく見えるので、小さいすき間だからという油断は禁物です。また、出入りのとき不意に出てしまうことがないように、門扉はできれば二重につけると安心です。

クロスゲートP(ペットガードタイプ)
通常のカーテンゲートよりゲート下のすき間が狭く、格子本数が多く、犬の飛び出しを抑制。

6 ずっと一緒に!「犬の健康」を考えたデッキ

「第2の心臓」といわれるひざ下の筋肉を鍛えるのは、犬の健康のためにもよいことです。「段差をなくすように」という配慮はよくありますが、運動のためにあえて小さな段差を設定することも大切です。ただし大きな段差を上り下りするのは、ひざに負担がかかるため、15〜20cm程度の高さにするように心がけましょう。デッキを設置する際も窓枠から15cmほど下げて、そこに人が腰かければ、犬と目線の高さが近づいてスキンシップが楽しめます。

ステップの段差を小さくして、上がり下りしやすくしたデッキ。愛犬にやさしい配慮です。

取材協力/庭工房 絵草(有限会社エクサ) 代表取締役 エクステリアアドバイザー 姶良邦一 http://www.ekusa.jp/

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