アルミ建材に施す皮膜の樹脂分子間の結合力を高めることで、塗膜の劣化や減耗を抑える高耐久性複合皮膜「HDコート」は、高意匠と高性能を併せ持つ、三協立山アルミ独自の表面処理技術です。
地球環境保全、環境負荷の低減等から、“200年住宅”など建築物の長寿命化も大きなテーマとして注目される中、建物を構成する建材の長期耐久性も求められます。
「HDコート」は、太陽光の紫外線・熱を始めとする自然環境にさらされる建材に、耐候性・耐食性・耐傷付性を向上させて耐久性を高めることで、アルミの金属素材の美しい風合いを長く保ち、建材の意匠と性能を維持させる高耐久性複合皮膜です。
HD コート = High(高い)+ Durability(耐久性)
1.膜厚変化が小さい---塗膜の劣化や減耗を抑え、美しい質感を維持
皮膜の樹脂分子間の結合力を高めたことで、塗膜の劣化や減耗を抑えました。
サンシャインウエザーメーター試験による促進試験(5000時間)において、HDコートの膜厚減耗は、従来品と比べ約1/2になりました。
〔膜厚変化〕サンシャインウエザーメーター試験 5000時間後
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初期からの塗膜減耗 |
HDコート |
−1.8ミクロン |
従来品 |
−4ミクロン |
※サンシャインウェザーメーター試験:促進耐候性試験。太陽光を想定した光の照射等、屋外環境に類似した環境を設定し、その一定条件下で耐候性を調べる試験。促進耐候試験5000時間は、20〜25年分の太陽光の紫外線照射量に相当。
〔分子構造・皮膜断面〕
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分子構造(イメージ)
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皮膜断面(イメージ)
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HDコート |
塗料分子間の結合を増強 |
結合増強部が表面に濃縮され、硬度・耐傷付性・耐候性が向上 |
従来品 |
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2.光沢を保持---美しい金属の素材感をより長く維持
〔電子顕微鏡による表面観察結果〕
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初期
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サンシャインウエザーメーター試験3000時間後
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HDコート |
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表面の変化は微減 |
従来品 |
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表面があれている |
〔光沢保持率の変化〕サンシャインウェザーメーター試験
光沢保持率が80%に下がるまでの時間は、「HDコート」では長くなっており、試験では約50%以上向上する結果を得ています。
3.高い耐久性---厳しい自然環境下においても長期にわたり高い耐久性を保持
〔腐食発生の変化〕サンシャインウェザー試験3000時間後のキャス試験
促進耐候性試験後のキャス耐食性試験では、2倍以上腐食しにくくなっています。
〔傷発生荷重の変化〕スクラッチ試験
塗膜の硬度を高めることで傷付きにくくし、傷発生荷重の試験では従来品の約2倍の強度を実現。
鉛筆引っかき抵抗性 硬度5H(従来品は4H。JIS規格値はH以上)
※キャス耐食性試験:耐腐食性試験。酢酸、塩化銅を加えた食塩水(塩化ナトリウム)を噴霧し、金属や皮膜材料の腐食を調べる試験。
※スクラッチ試験:コーティングされている膜の剥離荷重を調べる試験。荷重をかけながら薄膜表面を引っかき、薄膜が剥がれるときの力を測定。
掲載内容は試験結果の一例であり、保証値ではありません。 |
ニュースリリースに記載されている情報は、発表日現在のものです。
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